ツチノコと潮風 上 路草コミックス
作:河野別荘地
出版社:トゥーヴァージンズ
東京のスーパーマーケットで働いていた村田は、離島の暮島に出来る新店舗の店長を任される。
彼はそこでツチノコ博物館を営む姉妹と出会い……。
登場人物
村田(むらた)
スーパーマーケット「コミット」の店長
黒髪の青年。
東京の店舗で主任として働いていたが、暮島に作られる新店舗の店長に抜擢される。
元アナウンス部で彼のアナウンスは評判が良いようだ。
やりたい事も特になく、店長の件を引き受ける。
雪下合花(ゆきした あいか)
東京に憧れをもつ女子高生
黒髪ショートの女の子。
両親の営んでいたツチノコ博物館に縛られる姉の月乃(つきの)と結婚してほしいと村田に訴える。
雪下月乃(ゆきした つきの)
合花の姉
ロングヘアーの美女。
父親の遭難と母の死により大学を中退、博物館の業務を引き継いだ。
彼女自身は博物館に縛られているとは感じていないようだ。
内海洋介(うつみ ようすけ)
ウツミ竹輪の次男
少し背の低い四角顔の青年。
月乃に思いを寄せている。
実家の竹輪屋で働いているが経営は主に兄が行っており、彼は配達の仕事がほとんどのようだ。
洋介はその事に不満を抱いている。
配達という仕事柄、島民の顔と名前、性格などを把握している。
洋介の兄
黒髪眼鏡で四角顔の男性
村田は彼にスーパーでの商品展開を持ち掛けたが、大量生産は目指していないとその話を断った。
あらすじ
産業といっても竹輪ぐらいしかない離島、暮島。
そこに新たに開店したスーパーマーケットの店長として赴任した村田は、自由すぎる島民のパート・アルバイト達に店を回すこともままならず困窮していた。
そんな村田にアルバイトの一人、女子高生の雪下合花が声をかける。
彼女もシフトの相談だろうかと村田は尋ねるが、どうやら違うらしい。
開店時の物珍しさから店は大忙し。
もしかして辞めたいと言われるのではと思った村田は、先手を打って今の忙しさは来月は落ち着くはずと、続けてほしいことを伝えた。
しかし、合花の話というのはアルバイトの事ではなく、村田が自分の姉、月乃と結婚してくれないかというものだった。
感想
変化の乏しい離島から出たいと考えている少女、合花。
彼女は東京から来たスーパーの店長、村田と自分の姉月乃が結婚することで、島から出て東京へ行けるのではとほのかな野望を燃やしています。
一方で、姉の月乃は父親が残したツチノコ博物館に愛着を持っており、父の著作物の印税で暮らす現在の生活に不満は無いようでした。
ただ月乃は合花の気持ちにも気づいており、村田と結婚する気はなくても妹の企てに付き合っているようでした。
やがて合花は村田に魅かれはじめ……。
のんびりとした島の暮らしと、ツチノコ、そして女子高生の恋。
物語がどこに向かうのか、下巻が楽しみです。
まとめ
この巻の終盤、月乃の事で村田に少し含みのあった洋介が、スーパーで働きはじめました。
竹輪店の取締役としてなんだか面倒そうな洋介の兄。
彼がその事でどんなリアクションを取るのか、そのあたりも気になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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