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あおのたつき 第五巻 登場人物・あらすじ・感想

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着物
あおのたつき 5 ゼノンコミックスBD

著:安達智
出版社:コアミックス

新吉原京町二丁目、羅生門河岸の角、九郎助稲荷のその奥。
浮世と冥土の境となる場所に冥土の花街があるという。

今日もそこに道に迷った亡者が一人。

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登場人物

暗闇長屋の遊女
最下級の遊女
間夫(まぶ:遊女の情夫)の言葉を信じ、彼を待つあまり生霊となり、ろくろ首となって色町をさまよっていた。

儚神(はかなむのかみ)
開運稲荷の奥、儚神白狐社の祭神
切れ長の瞳で長いまつげを持つ白狐。

あらすじ

冥土の花街を守る廓番衆。
四人の宮司に認められ、再び宮司となるべく楽丸(らくまる)とあおは彼らの出す修験に挑む。

その一人目、怒丸(いかりまる)宮司の出す修験を突破した二人は、廓番衆を取りまとめる喜丸(きまる)大宮司の元を訪れる。

喜丸大宮司の出した修験は彼が捕らえ封じた肚の蟲(はらのむし)の捕獲だった。
人の持つわだかまりが凝縮した肚の蟲。

その蟲は、現世の花街で生霊となり、ろくろ首の姿で夜な夜な大門をくぐる夢を見ていた遊女の抱えたわだかまりだった。
ムカデに似たその蟲はあおの中に入り込み、意識を失ったあおの首は長く伸びる事となった。

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感想

今回は怒丸宮司の修験を成功させた楽丸のエピソードから始まり、喜丸大宮司の修験、間夫(まぶ:遊女の情夫)を待つ遊女のわだかまり、あおと遊女、心の寄る辺、哀ゐ丸(いといまる)宮司の修験の始まりなどが描かれました。

今回はその中でも、暗闇長屋の遊女とあおのやり取りが印象に残りました。

遊女は情夫の嘘を信じ、いつか彼が見受けして大門を抜けて自由になる事を夢見ていました。
ただ、心の底では彼女自身も男が語る身の上話が嘘だと気づいていたようでした。

暗闇長屋は最下級の見世であり、そんな見世に通う男が村の領主の跡取りのようなお大尽のはずはありません。
遊女はそれでも男の嘘を信じこもうとしていました。

あおはそんな遊女が抱えたわだかまりが、男への想いではなく孤独だと見抜きました。

対話し迷う心を導き、寄る辺を与える。
喜丸大宮司はただ、わだかまりを取り除き封じただけでしたが、あおは彼女の心の迷いを解消し、気持ちを前に向かせました。

同じ苦界に身を置いていたあおだから、遊女の心も分かるのだろう。
エピソードを読んでいてそんな事を思いました。

まとめ

次回は哀ゐ丸宮司があおに出した修験、言霊による鈴作りの続きが描かれる模様。
あおがどんな言葉を鈴に込めるのか、読むのが楽しみです。

この作品はマンガボックスにて一部無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはPixabayのOpenClipart-Vectorsによる画像です。
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