ダーウィン事変 3 アフタヌーンKC
作:うめざわしゅん
出版社:講談社
人とチンパンジーの間に生まれた交雑種(ハイブリッド)。
HUMANZEE(ヒューマンジー)のチャーリー。
彼と同じ学校に通う生徒ゲイルがヴィーガンの過激派組織ANIMAL LIBERATION ALLIANCE(動物解放同盟:ALA)と接触し、銃乱射事件を起こした。
その際、配信でゲイルがチャーリーにALAのリーダーを望んだ事で、人々はチャーリーに対し忌避感を抱き始める。
登場人物
ロニー・シュルツ
チャーリーの住む家の隣人
テンガロン髯おじさん。
町の顔役。
銃乱射事件を起こしたゲイルがチャーリーを動物解放同盟:ALAのリーダーに望んだ事で、チャーリーの義父であるバートにチャーリーを連れてシュルーズから出ていく事を望む。
本人は静かに暮らしたいだけのようだ。
モリス
FBI捜査官
黒人の捜査官。
チャーリーをFBI本部へ連れ帰ろうとしている。
ALAがチャーリーを取り込もうとしている理由について、なぜ今更と疑問を感じている。
カイル
FBI捜査官
モリスの相棒の白人捜査官
デイヴィッド・グロスマン
チャーリーの遺伝的父親
チャーリーの母親がいたストラルド生物化学研究所で働いていた博士。
ファイアーベントに研究所の襲撃とチャーリーの母親を研究所から運び出す事を依頼する。
あらすじ
ゲイルが起こした銃乱射事件が原因で、一方的に巻き込まれたチャーリーを敷地内から出さない様、議員のリナレスからバート達は厳命された。
ルーシーの友人等、チャーリーに命を救われた者達は彼に感謝する者もいたが、FBIや周辺住人はALAとの関係を危惧し、FBIはチャーリーの確保を狙い、周辺住民はバート達に退去を迫る。
家に押し寄せた住民はFBIの登場で一旦引いたが、チャーリーがゲイルを警官隊の銃弾から救ったとの報道がなされた事で、住民の行動はより過激になる事が予想された。
そんな状況の中、保安官補のフィルは町の顔役であるロニーに住民の押さえを頼み、バートに立ち退き他の場所へ越す事を提案する。
フィルの言葉は住民がバート達に危害を加える事を危惧した物だったが、バートは引っ越しを拒否した。
彼の妻のハンナはここで暮らす為に弁護士資格をミズーリで新たに取得した。
更に、チャーリーには共同体が必要であるし、チャーリー自身が学校生活を気に入っていた。
フィルとバートの話は平行線で続き、最後はバートのアメリカなら何処に行っても同じという言葉で締めくくられた。
感想
今回はゲイルの起こした銃乱射事件と、その際にゲイルが言ったチャーリーをALAのリーダーに迎えるという発言が波紋を呼び、チャーリーはFBIや周辺住民にALAとの関係を疑われる事になりました。
更にあらすじで書いた様に、チャーリーがゲイルを警官隊から庇った事が報道され、ゲイルに家族を殺された人々を中心にチャーリーやその家族への嫌悪と怒りが充満していき……。
実際の所、チャーリーは巻き込まれただけで、リーダー云々の事はALAが勝手に言っているだけです。
銃乱射事件にしても、ゲイルの事も含め、彼は助けられる命を助けただけのように感じました。
また住民の反応についても、映画などを見て持っているイメージですが、とてもアメリカ人的な物に感じました。
まとめ
今回の終盤ではかなりショッキングな事が起こってしまいました。
チャーリーの行動は一貫しており、自分の命と自分の大事なモノを守る為なら躊躇なく、合理的に行動している様に感じます。
終盤の展開を受けてチャーリーがどんな行動をするのか。次も気になります。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読み頂けます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。