今日のさんぽんた 3 ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル
著:田岡りき
出版社:小学館
飼い主のりえ子と柴犬のポン太。
一人と一匹のさんぽの日々を描いたコメディ作品、第三巻。
登場人物
葵(あおい)
りえ子の年上の幼馴染
りえ子が高校生の時、大学生だった。
穴の開いたブロック、透かしブロックの変わった形の物を写真に残している。
みっちゃん
りえ子の幼馴染
幼い頃のポン太の行為(突然走りたくなった)でリードが絡み転倒。
それがトラウマとなったのか、成長後も犬が苦手。
各話あらすじ
10歳9月 隠し物
散歩中、公園のベンチで隠されていたタバコを見つけたりえ子。
その事が昔の記憶を呼び起こし、彼女は子供の頃、宝物を隠した公園の遊具(正体不明な動物)の事を思い出す。
10歳10月 凧あげ
土手を散歩中、凧あげを見かけたりえ子。
凧をあげていたのは知り合いの大学生、葵ちゃんだった。
彼女は凧が一万メートル以上もあがると知り、講義の無い午後を利用し凧をあげていた様だった。
9歳5月 朝型
早朝、ポン太の前に現れたりえ子は彼に朝型人間になると宣言。
散歩に出たりえ子は朝型のメリットについて語り、早起きは三文の得だからポン太にもきっといい事があると話すのだった。
9歳5月 ドッペルゲンガー
散歩中、ポン太によく似た柴犬を見かけたりえ子。
ドッペルゲンガーかも。そんな事を言ったりえ子にポン太は似ていないと冷静に返した。
8歳5月 才能
テストの結果が芳しく無かったりえ子。
彼女は得意教科がある人はいいと話し、自分は匂いに敏感だから主要五教科に鼻という科目があれば、学校生活は目覚ましいものになったと語った。
7歳5月 看板
空き地に落ちていた喫茶店の看板を見つけたりえ子。
喫茶店が存在するかどうか気になったりえ子は、ポン太を連れ住宅街を看板が指し示す方向に歩き始めた。
1歳5月 穴
散歩の途中、道路脇に開いた謎の穴を見つけたりえ子。
彼女は近くに転がっていた空き缶を穴に入れ、ここで休憩する時にジュースが飲める様、親切な誰かが作ったのだと推測するのだが。
10歳10月 暗記
散歩中、英単語の暗記を始めたりえ子。
歩きながらの暗記は効率が増すらしいが、集中力に欠ける彼女は街中にある様々な文字に気を取られてしまうのだった。
10歳5月 表裏
散歩中、いつもの神社に違和感を感じたりえ子。
それは電灯が切れていただけだったが、その後、彼女には街の雰囲気がいつもとは違う様に感じられた。
9歳5月 景色
目が悪くなったと遠くを見ながら散歩する事にしたりえ子。
山を見ながら歩いていた彼女だったが、早々に飽きてしまい、今度はポン太を見る事にするのだが。
9歳6月 プール
フェンスの隙間から学校のプールを覗いたりえ子。
彼女、めっちゃ汚いとポン太に告げ、見たい?と彼に尋ねた。
見たいわけがないと返したポン太だったが、りえ子は彼を抱き上げ強引にポン太に汚れた水を見せるのだった。
1歳6月 通り抜け
この先通り抜けできません。そんな看板を見つけたりえ子。
いけるやろ。いけるな。
一人と一匹は迷う事無く看板の先の道へ足を踏み入れた。
10歳10月 ブロック
散歩中、ブロック塀をスマホで撮影している葵に遭遇したりえ子。
聞けば彼女は変わった形の透かしブロックの写真を収集しているらしい。
10歳6月 ココナッツ
散歩の途中、ココナッツが売られているのを見つけたりえ子。
丸のままのそれを珍しく思い、購入したのだが……。
9歳6月 無
日差しの強かったその日、散歩の途中、自動販売機で水を買おうとしたりえ子。
その自動販売機では商品の一つが外されていて……。
8歳7月 蚊取り線香
携帯用の蚊取り線香を父から借りたりえ子。
しかし彼女の右手は既に蚊に血を吸われていた。
8歳7月 帽子
暑かったその日、りえ子とポン太は日よけのあるバス停のベンチに避難していた。
りえ子は団扇代わりに使っていた帽子をポン太に被せ、自分は傘とか帽子とかすぐ忘れるから、代わりに被っていて欲しいと告げた。
3歳7月 計画表
七月のある日、家から出たりえ子がポン太の家に手にした紙を貼り付ける。
それは夏休みの一日の時間割の書かれた計画表だった。
10歳10月 目印
散歩の途中、山の中腹にある丸い物を指差したりえ子。
昔から気になっていたというそれを、その日は身に行こうという事になった。
10歳9月 想像力
雨のその日、散歩出来ないポン太の為、りえ子は想像上での散歩「エア散歩」を行う事にした。
9歳10月 朝日
早朝、高台に昇ったりえ子。
彼女はポン太に朝日を見せて、他の犬に日が登る瞬間を見た事があると自慢していいと言う。
しかし、そんな機会はないとポン太はりえ子の言葉を流した。
9歳12月 部屋着
欠伸混じりで散歩から戻ったりえ子。
戻ってから気付いたのだが、寝間着に半纏という完全な部屋着で散歩に出ていた。
そこから彼女は自分に言い訳を始めていく。
6歳12月 海
冬のその日、海に来ていたりえ子とポン太。
彼女はうまい棒を食べ終えたりえ子は、冬の海が一番好きだとテンション低く呟いた。
1歳1月 UFO
散歩中、空に何か白い物が浮かんでいるのを見つけたりえ子。
UFOでは無いか、そう思い追跡を始めるのだが……。
10歳10月 紙飛行機
土手を散歩中のりえ子に出会った康介。
受験の事などを話しつつ土手の上の道を歩いていると、紙飛行機が落ちていた。
その紙飛行機を見て、自分は紙飛行機のプロだとりえ子は言い出し……。
11歳3月 卒業式
散歩の途中、卒業式帰りの男子生徒を見かけたりえ子。
そういえば卒業以来会っていない友達が結構いるなぁと、彼女はこのまま一生再会しない相手もいるのだと気付く。
10歳4月 写真
その日、りえ子は公園の桜とポン太を写真におさめていたのだが、どうも桜を入れるとポン太が小さくなってしまい気に入らない。
10歳4月 日光浴
土手に寝ころびポカポカと暖かい日差しを浴びていたりえ子とポン太。
りえ子は気候はこのぐらいが一番いいというが……。
9歳6月 風邪
風邪をひいたりえ子に代わり、その日は彼女の父親が散歩に連れて行ってくれた。
丁寧な散歩にポン太は満足していたのだが……。
10歳9月 宝物
その日、りえ子は友人のみっちゃんと一緒に宝物を隠すべく、公園へと向かった。
公園の砂場にある謎の生き物の置物。
その置物は中が空洞になっており、破片を外せば物が入れられる様になっていた。
感想
今回は街の雰囲気が何だか違う気がする「表裏」と、山の中腹に見える丸い物「目印」の二つのエピソードが印象に残りました。
表裏はりえ子が勝手にそう感じただけで、裏の街(都市伝説的な)とかでは無かったのですが、深夜等、人が消えた商店街等を歩いていると何だか知っている場所なのに違う街に来たような違和感を感じた事を思い出しました。
目印の方は、エピソードとは少し違いますが、幼い頃、一度だけ行けた不思議な場所の記憶を思い出しました。
いつもは行かないその場所で、知らない子二人と一緒に遊び結構楽しかった事は覚えているのですが、その後、その場所へは行っていないし二人とも会っていない。
あれは何だったのだろうと今回のエピソードを読んでいて思い出しました。
まとめ
今回はりえ子の幼馴染らしい葵ちゃんと友人のみっちゃんが登場しました。
その内、みっちゃんの彼氏だという山田君も出て来るのでしょうか……。
最後に好きなやり取りを。
りえ子:今日はエア散歩するか。私も付き合ったるわ。
ポン太:何言ってんだお前。
りえ子:景色を鮮明に思い浮べるんや……そしたらちょっとだけ行った気分に浸れる。犬でもがんばったらできるはずや。
家を出て左に曲がるやろ……思い浮かべてみそこに見えて来るもの。
道路や。
ポン太:そりゃそうだろ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この作品はゲッサンWEBにて第一話が無料でお読みいただけます。
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