カナカナ 4 少年サンデーコミックススペシャル
著:西森博之
出版社:小学館
人の心が読める少女、佳奈花(かなか)は見た目は凶悪だが、優しく広い心を持つ青年、正直(まさなお)と共に暮らしている。
その正直はなぜだか夏が終わることを頑なに拒み……。
登場人物
夏影重弘(なつかげ しげひろ)
街の名士らしい夏影家の当主、英子(えいこ)の父
娘の英子が興味を持った正直の店「パイセン」を訪れる。
表面上、威厳ある父を演じているが、内面は英子を溺愛している。
あらすじ
風が冷たくなっても正直は寒がる佳奈花と砂浜で追いかけっこをし、無理やり体温を上げてアイスを食べ、今が夏である事にこだわっていた。
「もしかして、マサは夏を引きとめているのかしら?」
「オオッ、そーだ。俺は夏を守ってるぞ!」
「でも、もう10月だし夏を言い張るのは難しいのでは……」
そう呟いた佳奈花の前を浜辺で遊ぶ人たちが通り過ぎる。
「二浦の奴らは皆、夏が好きだからな。限界まで主張すんぞー」
そんな正直の言葉に、佳奈花はマサはなんで夏を守っているのと彼に目を向けた。
佳奈花の中に正直の心の声が響く。
“……そういえばなんだっけ!? 俺はなんで夏を守ってるんだっけ!?”
あれほど周囲にプレッシャーを与えておきながら、正直はその理由を覚えてはいなかった。
そのことに佳奈花は思わず砂浜にへたり込んでしまうのだった。
感想
今回は夏が終わる事を拒絶する正直とその理由、佳奈花と保育園、台風とワクワク、重弘とパイセン、沙和(さわ)と大葉観察日記、英子と佳奈花と砂浜となどが描かれました。
その中でも今回は台風のお話が印象に残りました。
子供のころ、台風の接近で空が陰り生暖かい風が吹くと、作中の正直たちのようになんだかワクワクしていました。
その原因はアドレナリンやドーパミンの分泌が関連していると後に知りました。
嵐の接近で危険を回避するためノルアドレナリンとアドレナリンを分泌した脳は恐怖を感じ、それを和らげるために快楽物質であるドーパミンを分泌し、それがワクワクへと変換されるようです。
現在は多くの被害をもたらす台風は、厄介な自然現象の一つという認識ですが、あのワクワクした気持ちは嫌いではなかったなとエピソードを読んでいて思いました。
まとめ
この巻のラスト、店を訪れた英子と佳奈花は砂浜で遊びます。
そんな二人に仲良くなってほしい正直たちは、更なるビックリ体験のサプライズを画策し……。
人の心が読める佳奈花がどんなリアクションを取るのか、次回も楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この作品はサンデーうぇぶりにて一部無料でお読みいただけます。