神客万来 4 芳文社コミックス
作:ねむようこ
出版社:芳文社
その日、ツバメ屋ホテルには医者だという妙にテカテカした胡散臭い男がやってきていた。
整形外科医だというその男の手術を受けにホテルを訪れたのは、狩衣に雑面姿の鬼、酒呑童子だった。
登場人物
整形外科医
柄シャツジャケットの胡散臭い男。
世の中に美しい顔も醜い顔も無く、整形するのは患者の心だと思い治療をしてきた。
酒呑童子(しゅてんどうじ)
大江山の鬼一族の頭領
整形手術を受けるためツバメ屋ホテルを訪れる。
茨木童子(いばらきどうじ)
酒呑童子の腹心
黒髪長髪の鬼。
酒呑童子の整形を止めるためホテルに駆けつける。
浦島太郎(うらしまたろう)
漁師の若者
竜宮城から故郷に戻ったがすでに家は無く途方に暮れて、乙姫からもらった玉手箱を一緒に開けてほしいとツバメ屋ホテルを訪れた。
乙姫(おとひめ)
竜宮城に住む姫
家に帰りたいと言った浦島にブチ切れ、玉手箱を投げ渡す。
長靴をはいた猫
主人の結婚式の余興にと、空飛ぶ大魚を求めツバメ屋ホテルを訪れる。
A子
ロングヘアーにコートの幽霊の女
常にずぶ濡れで乾かしてほしいと願いホテルにやってきた。
みちるの祖母
ショートカット眼鏡の穏やかな老婦人。
お盆大開放デーで他の死者と共にツバメ屋ホテルを訪れる。
あらすじ
鬼一族の頭領であり鬼界のスターである酒呑童子に、ホテルで働く鬼はテンションが上がる。
そんな鬼に窘め、女将は酒呑童子を医者の下へ導いた。
酒呑童子の依頼は顔を見た途端、態度を変える人間達に嫌気がさしているらしい。
鬼らしく、そんなモノに振り回されず生きたい。
そんな願いを叶えるため、腕利きの整形外科医をホテルを介して頼んだのだ。
話を聞いた医者はでは早速と酒呑童子がつけていた雑面を外し、顔を確認した。
しかし医者は酒呑童子の顔を見たとたん、この話は無かったことにと治療を拒んだ。
そのことに憤り酒呑童子は医者の首を締めあげ投げ飛ばす。
だがそれでも医者は施術を拒んだ。
怒り牙を剥き胸倉をつかんだ酒呑童子に、医者は言い放つ。
「そのお顔をどうやってこれ以上美しくするのですかっっ」
医者の言葉が示す通り、酒呑童子の顔は女将やみちる、鬼がときめく程、整っていた。
感想
今回は超美形な酒呑童子、故郷に戻った浦島太郎、空を泳ぐ大魚を求める長靴をはいた猫、ずぶ濡れの幽霊、狐のくれた木の葉、お盆大開放デーと死者たち等が収録されました。
今回もおとぎ話の登場人物や死者など、様々なモノたちがホテルを訪れました。
その中の一人、酒呑童子によって鬼は幼いころ、みちるに奪われた影を取り戻す方法を知る事になります。
その方法とは影を奪った者を食べる事。
作中、鬼はみちるを食べる事を決断します。
彼の言う食べるがどういう行為なのか、みちるは鬼に頭からバリバリと食べられちゃうのか。
先が気になります。
まとめ
今回は以前、狐からもらった小判(木の葉:頭に乗せるとその人間に一番似た動物に変化する)によって、狸になってしまったみちるが可愛かったです。
木の葉は女将によって封印されてしまいましたが、ホテルの従業員がどんな動物になるのかも見てみたかった気がします。
こちらの作品はpixivコミックにて第一話が無料でお読み頂けます。
作者のねむようこさんのTwitterはこちら。
お読みいただき、ありがとうございました。