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紛争でしたら八田まで 第七巻 登場人物・あらすじ・感想

投稿日:2021年9月28日 更新日:

ガーデンバイザベイ スーパーツリー
紛争でしたら八田まで 7 モーニングKC

著:田素弘
出版社:講談社

太平洋の島国ナウル共和国。
かつてリン鉱石で豊かになり、杜撰な政策で富を失った国。
八田は土地の購入を依頼されナウルに渡り、楽園の様なその島で一組の親子に出会う。
八田は彼らを軸に依頼人ロナルドを巻き込み、ナウルの再興への足掛かりを作った。

そんな彼女の次の目的地は彼女が育った国、シンガポール。
依頼者は幼馴染のアイシャ。
依頼内容は自身が脚本を務めた演劇の企画中止の撤回。
八田は演劇の問題点を踏まえ、スポンサーである政府系企業と交渉を始めるのだが……。

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登場人物

アイシャ
八田の幼馴染
ショートカットの美人
エリートコースをドロップアウトし演劇の脚本家になった。
アメリカに留学し欧米の価値観を学ぶ。
マレー系。

テオ
アイシャの脚本を採用した老舗劇団の若き座長
アイシャの脚本を高く評価している。

イムラン
幼い頃、八田とアイシャを可愛がってくれたインド系の男性
子供が出来なかったイムラン夫妻は八田達を我が子の様に思っていた。
シンガポール政府の官僚。
政府に批判的な内容を含んだアイシャの脚本を危険視し、彼女の事を案じて企画中止を進める。

井狩北仙女(いがりきたせんにょ:通称イガセン)総長
鋭い目をした金髪ポニテの少女。
大規模レディースの総長だけあって頭の回転は速い。

カミシマ総長
井狩市平野部のレディース「カミシマ」の総長
ユルフワ赤毛にフードの少女。
八田の策で抗争の無くなった井狩のレディースを襲撃する謎の集団「グリーンマスク」に襲われ負傷する。

あらすじ

シンガポール。
民主主義国家ではあるが政府が強い力を持ち、その力を背景とした政策によってめざましい経済発展を遂げた東南アジアの小国。

そのシンガポールで幼馴染のアイシャから依頼を受けた八田は、彼女の脚本にある鞭打ち刑問題のシーンに注目する。

鞭打ち刑問題、1993年、外国人集団が道路標識や車を破壊して検挙。
その中の一人、罪が重いとされた18歳のアメリカ人は日本円にして約23万円の罰金と4個月の禁固刑、鞭打ちが言い渡された。

アメリカは鞭打ちを拷問だと抗議、反シンガポールキャンペーンを開始。
西欧や国際世論はアメリカに同調し野蛮人とシンガポールを非難した。

しかし、初代首相リー・クアンユー(93年当時は首相を引退、上級相に)は世界を相手に「罪には罰」という秩序の維持を優先。
世界に対し意思を貫いた事はシンガポール国民の誇りとなっている。

海外に留学し欧米の価値観に馴染んだ八田とアイシャには特に問題は感じないものだったが、脚本では問題のシーンにおける主人公の反応は寛容とも冷ややかとも取れるフラットな反応になっていた。

八田はそれをシンガポール国民がどう見るかと提示し、削除すべきだとアイシャを説得した。

感想

今回はナウル共和国編の完結から始まり、シンガポールにおける演劇の上演、日本でのレディース編の後日談の三つが収録されました。

その中で印象に残ったのはシンガポール編。
シンガポールについてはゴミを捨てたら罰金と言う事と、あとはマーライオンが以外に小さいぐらいしか知りませんでした。

ですので、イメージ的に美化には厳しいけれど綺麗で発展し洗練された国という印象しか持っていませんでした。
ですが今回のエピソードを読むと、民主国家でありながら国が主導する政策や方針には意義を唱えにくい、いわゆる大きな政府(政府の管理下の元、国民の生活、文化的な活動にも指導が入る。ただしその分、補償や見返りは大きい)な印象を強く感じました。

現在の日本は自由と引き換えに自己責任論が展開されていて、いわゆる小さな政府(管理を最小化し、公共事業等も民間に委ねる。補償は少なく、災害等が起きても十分な対応が難しい)化が進んでいる様に感じます。

どちらが正しい、それは一概に言える事では無いのでしょうが、国という共同体はそこに住む人が心地よく暮らす為にある物だと思います。

飢えや貧困に喘ぐ人が一人でも少なくなる事、家族を持ち明日に不安を抱かなくてもいい社会。
そんな社会になればいいな、今回のエピソードを読んでいてそんな事を思いました。

まとめ

シンガポール編では、汚職について厳しい罰則がある事が書かれていました。
政治は監視を怠ればすぐに腐敗すると何処かで読んだ記憶があります。
法が厳しい事は不自由な点も多いのでしょうが、汚職に対する姿勢は少し羨ましく感じました。

この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはPixabayのFaizal Sugiによる画像です。
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