メイドのエミリーは今日も笑わない フラワーコミックスアルファ
著:大上貴子
出版社:小学館
ヴィクトリア朝時代、貴族の子息ローリーとメイドのエミリーの恋を描いた作品。
物語は笑わず仕事の早いエミリーを魔女だと思っていた、ローリーの子供時代から始まります。
登場人物
ローリー
名門伯爵家、カイダス家の次期当主
金髪碧眼の少年。
仕事が早く鉄面皮なエミリーを魔女だと思い込む。
そんな幼少期のある出来事で彼はエミリーに恋をする。
エミリー
黒髪でクールビューティーなメイド
魔女だと思い込んだ幼いローリーに付き合い、魔女の振りをして彼に魔法を掛ける。
ローリーに好意を抱いているが、身分の差を考え距離をとる。
デボラ
ローリーの従姉妹
ユルフワ金髪の女の子。
幼いローリーに蛇やカエルをけしかけるなど、いたずらを繰り返す。
ポール
カイダス家の庭師
金髪たれ目の背の高い美青年。
寄宿校に入り家を離れる事になったローリーは、彼にエミリーに言い寄る男がいないか監視を頼む。
その報酬はエロ本。
ローリーの父
カイダス家の現当主
金髪口ひげおじさん。
カイダス家は名門ではあるが、資金繰りに厳しいらしくアメリカの海運王、ウェルズの娘とローリーの政略結婚を計画する。
カーラ・ウェルズ
アメリカの海運王の娘
赤毛で強かな女性。
結婚に愛は求めておらず、互いに愛人を作って生活する事をローリーに提案する。
レイモンド
カーラの付き人
黒髪でしかめっ面の青年。
カーラとは相思相愛の関係だが、カーラは自分の立場や生活を考え彼と一緒になる事はあきらめた。
あらすじ
幼いころ、貴族の子息であるローリーは、使用人のエミリーの事を魔女だと思っていた。
彼女は仕事が早く完璧でまるで魔法のようだった。
さらにどんな時も笑う事なく無表情。
また、本名はサラでエミリーは偽名だ。
次期当主であるローリーはそんな魔女のエミリーから家を守ろうと、彼女のあとをつけ監視を続けた。
そんな事を続けていたので、当然、勉強はさぼりがちになっていた。
その事が気になったエミリーは、その日も尾行していたローリーに声をかけた。
彼女はローリーに付き合い魔女のふりをして、自分に夢中になる魔法を掛けたと答える。
それを聞いたローリーはへたり込み、魔女を倒せないなら、自分は立派な当主にはなれないのかと目に涙を溜めた。
それを見たエミリーは、立派なご当主になれるよう魔法を掛けようとローリーに目を瞑らせた。
エミリーはローリーの額に優しく口づけし、魔法はかけたがこの魔法は毎日きちんとお勉強しないと力を失ってしまうと右手の人差し指をたてた。
「おわかりですか坊ちゃま」
「うん」
「いい子」
初めて見たエミリーの笑顔でローリーは恋の魔法にかかったのだった。
感想
作品は名門貴族の息子ローリーとメイドのエミリーを中心に、ローリーの幼いころの思い出から始まり、成長し寄宿校に入ったローリーとエミリーのやり取り、政略結婚や身分の差などありながら、思い合う二人が描かれました。
表面上はクールなエミリーが赤面したり、ローリーの事を思い身を引こうとしたりする姿がけなげで可愛かったです。
また、子供のころから一途にエミリーを思い続けたローリーも、読んでいて気持ちよかったです。
まとめ
この作品は一冊で完結。
個人的にはローリーが家を立て直す所や、エミリーとの生活のシーンも読んでみたいと思える作品でした。
この作品は小学館コミックにて試し読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。