三十路病(みそじびょう)の唄 3 芳文社コミックス
作:河上だいしろう
出版社:芳文社
30歳、高校の同窓会で再会した六人は意気投合。
諦めきれない夢を追う為、仕事を辞めシェアハウスで暮らし始める。
この巻ではその中の一人、芸人のこぎりが売れる方法を元相方のケンが語る所から始まります。
登場人物
桜木(さくらぎ)
宅オフ(自宅を大戦場所として開放して、プレイヤーを集め対戦する事)の主宰者
黒髪の年配男性。
プロゲーマー同士や上位勢の知り合い同士の宅オフしか無い状況から、自宅を開放しての休日宅オフを思いついた。
彼の作るまかないはかなり手が込んでいる。
7iro(なないろ)
ラスボスが桜木の宅オフで出会った青年
陽キャでお喋りな青年。
スマファイ上位勢。
AKIら(あきら)とラスボスの対戦を見て、彼のファンになったらしい。
上を目指す為、ラスボスに様々なアドバイスをする。
ヒムペキ
スマファイの大会常連者
黒髪糸目の男。
平日大会でラスボスと対戦した。
しょもな
スマファイ平日大会の参加者
黒髪の青年。
ラスボスにメンタルが弱い事を見抜かれ敗退する。
パークル
スマファイ平日大会の参加者
黒髪パーカーの若者。
プレイスタイルに決まりが無く、対戦経験のある7iroにも読めない。
津田(つだ)
ラスボスの元同僚
夢を持たず生きている事で、夢に向かって生きているラスボスに忌避感を抱く。
あらすじ
ケンが提案したこぎりの売れる方法。
それはネタ作家になれというものだった。
ケンはこぎりの観察眼とネタの構造を把握する能力を高く評価し、良かったらネタ依頼の芸人を紹介すると話した。
しかし、こぎりは芸人として売れたいと彼の提案を断った。
逆にもう一度コンビを組むのはどうとこぎりはケンに持ち掛ける。
ケンは芸人は諦め、今はネタ作家として生きていると芸人に戻るつもりは無い事をこぎりに告げた。
こぎりは過去、ケンが熱く語っていた事を持ち出し憤り、僕はそんな簡単に夢を諦めたくないと話した。
それを聞いたケンは笑みを浮かべこぎりがそうしたいなら、芸人続けろと話し、おもむろに立ち上がると、今のはネタ作家としての気持ちと前置きした上で、こぎりに近づき、彼を殴りつけた。
「そんで、これは俺の気持ち」
こぎりの胸倉をつかみ、ケンは歯を軋らせた。
彼は自分の芸人としての力量と現在地を認めた上で、同じ夢の人が目の前にいても邪魔しないようにと考え芸人の道を諦めた。
そしてネタ作家として再出発した。
ケンはそれが”諦める”だと言い放ち、諦める覚悟が無いだけのこぎりに諦める事をなめるなよと告げた。
感想
今回はケンの言葉で芸人を続ける事を悩むこぎりのエピソードから始まり、宅オフでのラスボスと7iroの出会い、7iroのアドバイス、AKIらと食事、スマファイの対戦におけるラスボスの武器、ラスボスと元同僚の津田等が描かれました。
今回はその中でも、同じ方向を目指す仲間と出会い、笑みを浮かべたラスボスが印象に残りました。
これまでラスボスは基本、オンラインで対戦を重ね、一人で強くなろうとしていました。
ですが、7iroから自分で気付いていなかった癖を指摘され、アドバイスを受けた事で学生時代、熱中していた当時の気持ちを思い出したようでした。
また、ラスボスの武器についても興味深いものがありました。
彼の武器は人間対策。
プレイヤーの性格から弱点を見つけそこを突く。
若さによる練度には追いつけなくても、年を重ねた事による経験で人を見抜く。
彼がその武器をものに出来るのか、先が楽しみです。
まとめ
スマファイの世界大会ユグドラシルに参加する事を決めたラスボス。
彼ははたして勝ち上がれるのか。次巻も楽しみです。
こちらの作品はコミックトレイルにて一部無料で閲覧頂けます。
作者の川上だいしろうさんのTwitterはこちら。
お読みいただき、ありがとうございました。