トライガン・マキシマム 8 YKコミックス
作:内藤泰弘
出版社:少年画報社
血界戦線の内藤泰弘さんの描く、SFガンアクション。
今回は捕らえたヴァッシュを乗せて、方舟が飛び立つシーンから始まります。
#1 侵攻
あらすじ
自らの力が決して無限ではない事を知ったナイブズは、点在する街からプラントを奪うため行動を開始する。
ナイブズを止めるべく、彼と対峙したヴァッシュ。
しかし、多数のプラントの力を取り込んだ、ナイブズの力は大きく圧倒されてしまう。
レガートの技で拘束されたヴァッシュは、ナイブズが「方舟」とよぶ飛行機械のなかで、彼と対話するのだった。
方舟はプラントを街から奪うため航行を続けていた。
レガートに拘束されたヴァッシュは、その中でナイブズと話していた。
ナイブズは、同胞であるプラントが人類により、死の瞬間まで搾取され、ごみ同然に殺されたとヴァッシュに語る。
ヴァッシュ自身、亡くなったプラントは多数見ていた。
そのどれもが「黒髪」だった。
寿命ではなく「能力」を限界まで使った証だった。
だけどと彼は続ける。
この砂の惑星で人間が生きていくためには、プラントに頼るほかない。
飢えや渇きに人々が苦しみ、「仲間」を疲弊させる程、その力を使うことなったのは、ナイブズが引き起こしたビックフォールが原因だと話した。
彼らの対話の間も方舟は進み、街の中心、シップの真上に到達していた。
憲兵軍は通信に応じない方舟に対し、攻撃態勢を整える。
その軍の前に、方舟から三人の男が降り立った。
ウルフウッドを含む、ミカエルの眼の三人だった。
ウルフウッドはパニッシャーからロケット弾を放ち、憲兵が引くよう図るが、車椅子の老人はそれを許さず、ダブルファング、リヴィオに殲滅を命じた。
憲兵の中に飛び込んだリヴィオは、一瞬で彼らの命を奪った。
足止めで十分だと、ウルフウッドは老人に銃を向ける。
だが老人は意に介さず、生き残ったほうが地獄だとウルフウッドに返した。
方舟からシップのプラントたちを見下ろすナイブズに、這いつくばりながらヴァッシュは語り掛ける。
本当に人は変われないと思うか?と
時間はかかるが、人は前に進める。少なくともレムはそうだった!!
そう話し、ナイブズを説得する。
だがナイブズは、そのかかる時間が問題だと言う。
その間にも、仲間は次々と搾取され、干上がり捨てられてゆく。
なら、そこを正しにゆけばと言うバッシュにナイブズは、家畜の言葉など誰も聞かない、奴らは吸い上げられる所からは、無反省に吸い上げる。
それは歴史が証明していると語った。
この現実が歪みきっている。我々が譲る道理などない。
「テスラの姿を忘れたか」
その言葉に、ヴァッシュはレガートに拘束され、動かない筈の右手を床に叩きつけた。
「忘れてないさ、片時も!!
忘れるもんか、あの日から俺たちは狂った…!!」
涙を流しナイブズを睨みつけヴァッシュはそう言い放つ。
「だがなナイブズ。
だからこそなんだ。
暴力は受けた側からしか、その本質は語れない。
苦痛にうたれた者にしか、争いを止める真の言葉は吐けない。
テスラの死を…
ただ憎しみと争いの連鎖の中に組み込むか
胸に秘めた自分の礎にするか
本当の戦いはそこにある
目を逸らすなナイブズ!!」
ヴァッシュの言葉に、怒気のこもった笑いを返し、なるほどその通りだとナイブズは言う。
自分は苦痛によって本質を学んだ。
ならば奴らも学ばねばならない、それで公平(イーブン)だ。
これは全てを公平に戻す戦いなのだ。
眼下にシップを見下ろしながら、ナイブズはそう口にした。
今回の見どころ
・エンディレラに対するヴァッシュの返答
プラントを取り込み、巨大な力を得たナイブズ。
彼の力を背景に、エンディレラはヴァッシュに、勝てるわけがない諦めろと忠告します。
しかしヴァッシュは、死をなにより厭うウルフウッドが、自分のために命を懸けた事、それだけで戦う理由は十分だと忠告を拒否します。
ヴァッシュのウルフウッドに対する想いが、垣間見える気がします。
※あくまで私見です。
感想
ヴァッシュはレガートにより自由を奪われ、ナイブズは都市の生命線であるプラントを街から吸い上げ、それにより惑星は干上がりました。
そんな中、メリル達はヴァッシュ奪還に向けて動き出します。
またウルフウッドの過去が語られ、彼は家を守るため、一人カルカサスに向かいます。
ガンスミスのマーロンがいい仕事をしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。