クマ撃ちの女 8 BUNCHコミックス
作:安島薮太
出版社:新潮社
クマ撃ちに反対するチアキの姉、チカ。
そのチカと共に二人に山を教えた伯父のカツヤがチアキの下を訪れる。
カツヤは過去、熊に襲われた先輩猟師の話をし、熊の怖さを語る。
その後、カツヤはチアキ達を鳥撃ちに誘い……。
登場人物他
サト
旭川に住むごく普通の家族の父親
家族旅行に出掛け、チアキと因縁深い熊に襲われた妻、カナを助けようとして怪我を負う。
カナ
サトの奥さん
息子のコウタの用足しに潰れた山中のラーメン屋の裏に回り、熊の襲撃を受けた。
コウタ
サトの息子
熊の狙いはカナだったらしく、彼は怪我を負う事は無かった。
ユウ
サトの娘
トマトは嫌いだが頑張って食べた。
あらすじ
カツヤと共にチカ、チアキ、カズキの三人は山に入った。
かつてヒグマに襲われ、左足を失ったチカは熊の痕跡が残る山を恐れるが、カツヤはチアキがいるから大丈夫だと彼女に告げた。
カツヤはチアキが何頭も熊を仕留めて来た事を知っていた。
「信用していいと思う」
師匠の様な存在のカツヤにそう言われた事でチアキは頬を染める。
その後、足の悪いチカを背負い、カツヤはチアキ達と共に雪山を歩く。
カツヤは昔から幼いチカとチアキを連れて山に入っていた。
それは人間の住む街とは別の豊かな世界がある事をしてって欲しかったからだ。
そんなカツヤの願いは叶い、二人は山に親しんだ。
だが、その事でチカは熊に襲われ山を恐れる様になり、チアキは逆に以前よりも山に入る様になってしまった。
二人に山を教えるんじゃ無かったとカツヤは強く後悔していた。
山も猟も銃も知らず、ずっと街にいれば酷い目に遭わず、人生をもっと明るく生きられたかも。
だがその後悔の後に思い出すのは、山の中で見た二人の笑顔だった。
感想
今回はチアキの伯父、カツヤとの鳥撃ちから始まり、カツヤとカズキで料理、ヒグマに襲われた家族、熊に連れ去られた母親の捜索等が描かれました。
今回はその中でも鳥撃ちで語られたカツヤの思いが印象に残りました。
作中、カツヤが語った様に、街で生きていれば鹿や危険な熊や猪等の野生動物に出会う事は少ないでしょう。
一生、出会う事の無い人が殆どでは無いでしょうか。
ただ、実際に日本にもそんな野生生物は存在していて、山中に足を踏み入れればそこは彼らのテリトリーです。
カツヤは人間が作った街だけが世界ではない。
そんな事をチアキ達に伝えたかったのかなと、エピソードを読んでいて思いました。
まとめ
今回、家族を襲った熊はチアキの姉、チカを襲った因縁の相手で、ずっとチアキが追っているヒグマでした。
その事を知ったチアキは何とか熊を撃とうと、カズキと猟犬のワンの二人と一匹で動き始めるのですが……。
因縁相手のヒグマの事になると、周囲が見えなくなりなりふり構わないチアキ。
彼女がヒグマを撃てるのか、次も楽しみです。
こちらの作品はくらげバンチにて一部無料で閲覧いただけます。
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お読みいただき、ありがとうございました。