セクシー田中さん 5 フラワーコミックスアルファ
著:芦原妃名子
出版社:小学館
パワフルな60歳のベリーダンサー、愛子(あいこ)先生。
その愛子先生に強引に連れ出されスッピンで踊る事になった田中(たなか)さん。
その愛子先生とのダンスは三好(みよし)のサポートのあり、事無きを得たが、ダンスを撮影した動画が共有された事で田中さんがベリーダンスをしている事が同僚にバレてしまい……。
登場人物
華(はな)
朱里(あかり)の友人
黒髪ロングで眼鏡の女性。
笙野(しょうの)の友人でチャラリーマンの小西と進展しそうな朱里に苦言を呈す。
あらすじ
ベリーダンスをしている事を会社の同僚に知られた。
その事は田中さんの過去の記憶を呼び起こした。
幼い頃から内気で自己主張する事の出来なかった田中さんは、いじめや嫌がらせを受けてもそれを誰かに言う事は出来なかった。
精神的なダメージを内に抱え込んだ田中さんは、その事で腹痛を起こし学校を休んだ。
ただ、その事で親に心配を掛けたくなかった田中さんは、痛むお腹を抱え学生生活を独りぼっちで耐えていた。
他人の声をただの雑音と切り捨て、ただただ勉強に励む日々。
そうする事で腹痛は収まったが、代わりに他人の言葉が全く聞こえなくなった。
会社の同僚のする噂話、自分を見て誰かが笑っている感覚。
それは再び田中さんに腹痛を巻き起こす。
その日、田中さんは会社を欠勤した。
感想
今回は冒頭、容姿や性格の事で虐められ、精神的な腹痛を起こした田中さんの過去と、ベリーダンスをしている事がバレた事で同じ状態になった田中さんから始まり、朱里と小西、笙野と田中さん、広がる世界、小西と進吾(しんご)、笙野とデート等が描かれました。
その中でも今回は昔の様に自分が笑われているのではと思い、腹痛を起こしてしまった田中さんに、笙野の言った言葉が印象に残りました。
自己評価が低く、自信のない田中さんに笙野は怠慢だとハッパを掛けます。
宣伝不足、田中さんを知れば皆、田中さんを好きになる。
同僚に「おっぱい出して踊ってる痛々しいおばさん」って思われてるまま終わるのくやしくないですか!?
自分は悔しい。
そう言った笙野に田中さんは何で笙野さんが? と問い掛けます。
それに笙野は田中さんを隠れた名作映画だと例え、コンセプトが伝わりにくい、キャストが地味、邦題がクソダサイ等の事でいまいち見る気にならない映画だけど、人に進められて見たらすんげー面白くて、それを誰かに伝えたくなると答えました。
失礼な言葉をはさみながらの笙野の話でしたが、彼の言いたい事はとても良く分かります。
メチャメチャ面白いのに売れない作品、そんな作品に出合ったら確かに応援したくなります。
そんな笙野のアドバイスもあり、田中さんは少しづつですが元気を取り戻していきました。
馬鹿にされるのでは無く、認められる事、人が生きる為にはやっぱりそれが必要なんだなぁ。
エピソードを読んでいてそんな事を思いました。
まとめ
今回のラスト、田中さんは笙野とデートする事になり、頑張った結果なんか凄いメイクと衣装で待ち合わせの場所に現れました。
そのデートの顛末がどうなるのか。次巻も楽しみです。
この作品は小学館公式サイトにて一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。