空挺ドラゴンズ 12 アフタヌーンKC
著:桑原太矩
出版社:講談社
ヴァナベルの故郷、アレーナ。
そのアレーナの人々を苦しめていた霧の龍は王国軍の頼みを受けたヴァナベルと議会軍の依頼を受けたミカ達によって討ち取られ、王国軍と議会軍の内戦も、ヴァナベルという王家の血を持つ存在によって纏められようとしていた。
国の為に船を降りる決意をしたヴァナベルの下に、ミカがテリーヌを食わしてくれと現れ……。
登場人物
ツィータ
ヴァナベルの親友
円らな瞳の明るく快活な女性。
霧の龍の生み出した霧によって幻に囚われ眠り続けていた。
ネネッタ
捕龍船の設計技師
くせ毛眼鏡の女性。
震天王テュポーンに破壊されたクイン・ザザ号の新たな設計を任された。
嵐の龍テュポーンと戦う為、嵐の空を飛べる船を目指し新たな形を模索する。
ミクラ
占い師
赤毛ポニテの少年。
ギャングに絡まれていた所をフェイとソラヤに助けられる。
特技の無い事を気にしていたソラヤは、彼に弟子にしてくれと頼みこむ。
あらすじ
いつかクイン・ザザで夜食として作ったテリーヌ。
ミカはヴァナベル(ヴァニー)と二人、再びそれを作りながら龍は美味いよなと語り掛ける。
しかし、ヴァニーはそれにそうねと返しながらも、船を降りる決意は覆さなかった。
そして夜が開け、議会軍と王国軍の和平調印式が始まる。
その調印式の直前、ジローはありがとうもさようならも言えていないと、仲間と共に廃墟となった王城近くに建てられたヴァニーのいる天幕に押しかけた。
オーケンやタキタ達が作った隙をついて、ジローはヴァニーと話しをする為、彼女を霧の残る大正殿へと連れ込んだ。
ジローはヴァニーに助けられた話を語るも、ヴァニーはもういいと哀しそうに笑うだけ。
ホントはヴァニーはどうしたい!?
声を上げたジローに私の事はもういいからとヴァニーは答えた。
そんなヴァニーの後ろから、親友のツィータが声を掛ける。
目覚めたツィータに喜び、ヴァニーは彼女に抱き着いた。
ツィータも再会に喜び、霧の中で見た夢の話をした。
霧は自身の願望を見せる。ヴァニーが望むモノは何なのか見て来てとツィータは十分したらジローと二人、霧の中から引き上げる事を告げてヴァニーを送り出した。
感想
今回は故郷アレーナの状況をしりクイン・ザザを飛び出したヴァナベルのエピソードの顛末の他、副業を始めたクイン・ザザの一行、設計技師ネネッタと技師見習いヒーロによる新たクイン・ザザの設計図の完成までが描かれました。
その中でも今回は霧の中でヴァニーが見た夢が印象に残りました。
危険でキツイ捕龍船の仕事。肉体的には王として王宮で暮らした方が贅沢な暮らしが送れるでしょう。
しかし、彼女が求めたのは危険ではありますが、自由な空での生活でした。
いくら地位やお金があったとしても、自由が無ければ心は死ぬ。
そんな事をエピソードを読んでいて思いました。
まとめ
今回の終盤、ネネッタが描き上げた設計図には、捕龍船を浮かせる為の震臓が二つ描き込まれていました。
ネネッタはそれにより嵐の空での安定性を求めた様です。
次回はどうやら世界的にも品薄なその震臓の入手が描かれる模様。
震臓をどうやって手に入れるのか、クイン・ザザがどんな船になるのか読むのが楽しみです。
この作品はpixivコミックでも一部無料で読む事が可能です。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。