BADDUCKS バッドダックス 2 webアクションコミックス
著:武田登竜門
出版社:双葉社
親の借金を背負わされ組織のボス、グエンによって臓器を安価な人工の物に変えられ、その際、改造実験を行われて怪力と引き換えに燃費の悪い体にされたモーガン。
IDも失った彼はグエンの店で働く長命種、リサの誘いに乗り彼女と共に街を脱出、その際、市長の息子エリックの家から盗んだ鞄の中にいた赤ん坊、ボズを加えた三人で強盗しながら旅を続ける事になる……。
登場人物
ニーナ
黒髪眼鏡でそばかすの女性
三つ目の医師、マシューと森の中に隠れ住む。
イーサン達の襲撃を受け止む無く車に放置されたボズを連れ去った。
マシュー
ニーナの恋人
前髪パッツンな三つ目の青年。
以前はグエンの部下として働いていた。
その容姿からリチル市内では暮らせず、森の中に隠れ住む。
イーサン達の襲撃を受け傷付いたモーガンたちを拾う。
あらすじ
IDを抹消され働く事の出来ないモーガン達は、強盗の際、警官に追われながらも何とかそれを撃退。
レンダの街を脱出しリチルに逃げ込んだ。
だがリチルの街には、既にモーガンが警官に暴行を働いた件は広まっていた。
指名手配されたモーガンはリサの提案で変装、観光客に扮し街を散策、不動産屋でリサの家を借りた。
元々、リサとは彼女が暮らしたい場所が見つかれば別れる予定だった。
今後はボズと二人、ほとぼりが冷めるまで山の中で暮らす事になりそうだ。
そんなモーガンにリサは謝罪を口にした。
自分だけが平穏な暮らしを手にいれる。その事に彼女は後ろめたい物を感じていた様だ。
彼女の言葉にモーガンは「仕方ねぇ、恋人に銃突きつけて五億寄越せって言われるよりましだ」と返した。
「もし首都(ラド―)の彼女に会いに行きたくなったら手伝ってもいいよ」
IDの無いモーガンは街から街の移動も出来ない。
だが彼はその申し出を断った。
死んだと思っていた男が、戸籍すらない犯罪者になって戻っても困るだけ。
オリビアはそんな事無いと言いながらも、一人で抱え込もうとするだろう。
寂しいのはどうせすぐ慣れる。俺が我慢すりゃ済む話だ。
そんな話をしながら、別れの挨拶をするモーガンとリサを組織の人間、シンの銃口が狙っていた。
感想
今回はリチルの街に辿り着き、モーガン達と別れ一人、残る事にしたリサのエピソードから始まり、グエンの部下、イーサン達の襲撃、襲撃で傷付いたモーガンを拾ったマシューとニーナ、撃退した警官の死により全国で指名手配される事になったモーガン、そして十一年後までが描かれました。
今回はその中でも、冒頭のモーガンとリサの別れのエピソードが印象に残りました。
リサは前巻で赤ん坊のボズをすぐに捨てようと言っていました。
それは彼女が薄情だった訳ではなく、ボズを可愛いと思っていた事が原因でした。
長命種である彼女は、他の人種とは違う時間を生きています。
それでも人を好きになってしまう事は止めようがなく、その好きになった者が自分を置いて先に逝く事も変えようがありません。
作中のリサの言葉、
好きになった誰かが死ぬのを横で見てるぐらいなら、ひとりで寂しいのを我慢してる方が全然マシだもんね。
ただ、上記のセリフも彼女の強がりなんだなと、収録されたエピソードを読んでいて感じました。
まとめ
次巻では十一年後のモーガン達の暮らしが描かれるようです。
モーガン、リサ、ボズ、彼らの物語が何処へ向かうのか読むのが楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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