この世界は不完全すぎる 6 モーニングKC
著:佐藤真通
出版社:講談社
サイ公国のメタAI、アルバ。
AIでありながらデバッカーを従え、神の様に振舞うアルバに地下迷宮の最下層に転移させられたハガ達。
脱出を試みるも、そこにはレイドボスである沈黙の悪魔(サイレンス)が鎮座していた。
ハガは自身と同様、レイドボスに閉じ込められたデバッカー、キノシタマユと協力し、ギミックを使って何とかサイレンスを倒した。
ホッとしたのもつかの間、ボスは第二形態に姿を変え……。
登場人物
サイレンス第二形態
イカやタコに似た目を持つ頭部に四本の触手、下半身はブリッジした巨人の姿の怪物。
頭部の一部が開き、そこから電撃を放つが攻撃判定がされておらず、攻撃は物理のみ。
第一形態よりも手数が多い。
ドゥカ
二コラの世話役のNPC
三頭身の老婆。
フェルミ
スタマウ諸王連合メタAI
前髪で目が隠れた鎧の青年。
睡眠中。
ノイマン
ウィルソード帝国メタAI
髯のおじさん。
テスラが指摘したプレイヤー(デバッカー)への関与の著しいアルバの行為を問題無いと判断。
逆に秩序を重んじ、国を出てデバッグの進まない現状の改善を訴えるテスラを窘める。
テラー
リオーノ王国メタAI
ロングヘアーの女性。
ノイマンと同様、メインクエストのデバッグと自国の管理を行う事をテスラに求めた。
今永ハルト(いまなが はると)
(株)エンタメイションアルバイト
修道士として日々を過ごす。
家系ラーメンが食べたい。
秋鹿ユウキ(あいか ゆうき)
(株)エンタメイションアルバイト
修道士として日々を過ごす。
貝塚ヨシオ(かいづか よしお)
(株)エンタメイション契約社員
NCPと結婚し農場経営者として小麦を育てている。
あらすじ
第二形態となったサイレンスにハガ、アマノ、アキラ、マユ、アカネの五人は苦戦を強いられる。
一方、その頃、一人城に残されたNPC、二コラはメタAI、アルバの家臣としてサイ公国を仕切るデバッカー、レンからハガ達が彼女を置いて旅立ったと告げられる。
二コラはそんな筈は無いと食い下がるも、レンは彼女を一喝。
故郷へ帰れと僅かばかりの路銀を手渡し街から追い出した。
二コラ(テスラ)の追放。
それは自分の行いを上(開発)に報告されない様にする為のアルバの策だった。
他国のメタAIであるテスラには、サイ公国において何かする事は出来ないが、慎重派な彼女の存在はアルバには邪魔の様だった。
そうして街を追い出され、故郷への帰路に就いた二コラだったが、レンのハガ達は旅立ったという言葉に違和感を覚える。
これまでハガは立ち寄る街の全てで、徹底的にバグの調査を行っていた。
そんなハガが十分に調べもせずに旅立つ等、絶対にありえない。
レンの言った事は嘘だ。
そう確信した二コラは故郷には戻らず、再びサイ王国へ足を向けた。
感想
今回は地下迷宮「ダイアモンド」のレイドボス、サイレンスの第二形態との戦闘から始まり、二コラ(テスラ)追放、仲間を守る為にハガが見つけたバグ技「ハガスペシャル」、アキラの中身、地下迷宮編の完結等が収録されました。
今回はその中でもアキラの中身についてが印象に残りました。
彼女は職業体験としてデバッグに参加していた学生だったらしく、本心では帰りたいと願いつつも、その思いを押さえ込みこの世界で生きるのだと自分に言い聞かせていた様でした。
帰還を諦め、アルバの言葉に従いゲーム内の理に合わせ生きようとするレン達、サイ公国のデバッカー達。
ですが、アキラや修道士として生きている今永の様に、押さえ込んではいても現実への帰還の思いは彼らの中でくすぶり続けているみたいです。
アルバやレンを含め何だか歪んだ感じのする人々、彼らが今後どうなるのか。
ハガ達はどう動くのか、先が気になります。
まとめ
この巻のラスト、ハガ達が地下迷宮に飛ばされて一年後、まるで忍者の様になった二コラの姿が描かれました。
ただの村人であるNPCの彼女が、どんな方法で力を手に入れたのか。
次巻も読むのが楽しみです。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。