漫画完結作品

トライガン 第二巻 あらすじ・感想等

投稿日:2019年2月25日 更新日:

コイン
トライガン2 YKコミックス

作:内藤泰弘
出版社:少年画報社

血界戦線の内藤泰弘さんの描く、SFガンアクションです。
今回はヴァッシュが追う男、ナイブズの部下レガートとの出会いから物語はスタートします。

広告

#6 魔人集結す あらすじ1

レガート、そう名乗った蒼い髪の男は、ヴァッシュが追い続けるナイブズの配下だと言う。
12枚のコインの片割れと、靴屋の首の入った紙袋を置いてレガートは姿を消した。

靴屋殺しの容疑者として、留置所につながれたヴァッシュを刺客の一人、GUNG-HO-GUNS、モネヴ・ザ・ゲイルが襲う。
街を巻き込みながら、ヴァッシュを攻撃するモネヴを、片腕を失いながらもヴァッシュは退けた。

厄介者を追い出す形で街を出たヴァッシュは、そこでモネヴが磔にされているの発見する。
彼を磔にしたのは、GUNG-HO-GUNSの二人目、E・G・マインだった。

ヴァッシュはレムを思い、命を奪う事を何とも思っていないレガートのシナリオに憤る。
マインはヴァッシュの早打ちの前に一瞬で倒され、ヴァッシュは遠方から事の成り行きを見ていたレガートに、銃弾を放つ。

弾はレガートの顔の横を通過(無論わざとだ)、ヴァッシュは攻守の交代を宣言し、レガートにお前は俺の獲物だと言い放つのだった。

メイ・シティを出たヴァッシュは、バスに乗り次の街オーガスタへ向かっていた。
保険屋の二人もヴァッシュと共にバスに乗り込んでいた。

オーガスタまで2000km、見渡す限り砂と岩の荒野をバスはひた走る。

ヴァッシュはレガートに、宣戦布告した時の事を思い出していた。
彼はヴァッシュが獲物だと叫んだ時、とても嬉しそうに笑ったのだ。
彼の底知れない実力と狂気を感じて、今更恐怖を感じるヴァッシュ。

我知らず、その恐怖は独り言として口から漏れ出し、シャレにならんと口にした彼の方が、シャレにならん危ない奴とバスの乗客に怯えられていた。

そんな中、ヴァッシュは地平線に何かを見つける。
それは巨大な十字架を背負った黒いスーツの男だった。
男はバイクが壊れ、砂漠を歩いて移動していたらしい。

あんなデカい十字架担いで歩いてりゃと呆れる乗客に、男は商売人としてのプライドあるしなと答えた。
商売?と尋ねる乗客に、男は牧師だと返した。

乗客たちは口々に、牧師は商売じゃない、そんな恰好の聖職者はいないと男に言った。
主よ、世間は偏見と思い込みに満ちています。男はそういって、メリル達に見つけてくれた礼を言った。

二人は見つけたのは自分たちじゃないと、ヴァッシュを指さす。
男はヴァッシュを見ると詰め寄り、大声で名前を叫ぼうとする。

ヴァッシュはその口を塞ぎ、騒ぎは御免だと声を押さえるように言う。
男は手配書でヴァッシュの容姿を知ったようだ。
なんで気付かへんのやと話し、思い出したように、自己紹介しとこと名を名乗った。

「ウルフウッドや、ヨロシク!!」

そう言って手を差し出す。
握り返した手を、ウルフウッドは激しく振った。

あらすじ2

ところ変わって、ジュネオラ・ロック。
メイ・シティとオーガスタ・シティの中継地点であるこの街で、解体屋の総長が手勢を引き連れ、一人の男を探していた。

蒼髪、白いコートの男に、彼の部下は皆殺しにされたのだ。
街中を捜索する手下を見ながら、総長は笑みを浮かべた。
男の死を確信している総長の後ろに、蒼い髪の男、レガートが音もなく立つ。

男に、「家」か「あの世」か行き先を尋ねるレガートにクスクスと笑いを返す総長たち。
無駄な質問だったとレガートが、解体屋を殺そうとした時、彼が待っていた連中が街に着いた。

レガートは彼らに、半分殺せと命令を下した。
そして虐殺は始まった。

一方、オーガスタまでの途中の補給所で、ウルフウッドはバスの料金を精算していた。
手持ちの無いウルフウッドは、運転手にまけてえなと頼む。

運転手は渋々了承し、お礼にとウルフウッドは、運転手の頭に箱をかぶせた。
何だよコレ!と言う運転手に、ウルフウッドは懺悔箱と答える。

懺悔室の携帯版だそうで、これで罪の告白を聞き、お布施を貰っているようだ。
その様子を見たヴァッシュは、これも修行かと問うが、ウルフウッドは、あくまでお仕事やと答えた。

彼の教会は、孤児院のような事もしているらしく、子供を抱えてカツカツで生活している。
OBである彼は、孤児院の為に稼だらなどうにもならんと話した。

稼ぐって牧師でかとヴァッシュが疑問を口にすると、ウルフウッドは、それだけやないけど、あまりいいとおないと答えた。

そう話すウルフウッドに、汚れた子供が二人、施しを求める。
ヴァッシュは子供たちに駄目だよ、その人お金持ってないと言いかけるが、ウルフウッドは、困ったなあと言いながら、財布からコインを三枚、手に落とした。

しゃがんで掌のコインを示しながら言った。
「ええか、これしかあれへんねん。」
そして、一枚づつ指さしながら言う。

「一枚はオマエ、一枚はオマエ、
 で、もう一枚は…オレや
 少のうて悪いが、ええかコレで。」

子供たちは笑顔を見せ、ウルフウッドの手からコインを受け取ると走り去った。
その様子を見て、ヴァッシュは知らず笑顔を浮かべていた。

その顔を見て、ウルフウッドは、そんな顔をできるんやないけと口にした。
なにがと問うヴァッシュにウルフウッドは、答える。

「心配しとったんや。
 あんたいつもニコニコ愛想ええけど、
 笑い方がカラッポで胸が痛なるんや
 ツラくてしゃあないクセに、やせガマンだけで笑っとる
 そんなふうに見えとったで」

それはヴァッシュの本質をついていたのか、彼は茫然とウルフウッドを見た。
ポーズを決め、セリフを吐いたウルフウッドだったが、彼の腹は正直に飢えを訴える。

助けを求める目で見るウルフウッドに、ヴァッシュは食事をおごる事を提案し、彼はそれに大喜びで飛びつくのだった。

ジュネオラ・ロック。
そこでは解体屋の総長が怯えた目でレガートを見上げていた。
レガートの後ろには、死体が山のように積まれている。

半分残したのは慈悲ではなく、解体屋自身に死体を処理させるためだった。
レガートはこれを成した者たちに、ご苦労と言葉をかける。

そこには7名の魔人が立っていた。

広告

今回の見どころ

・ウルフウッド登場
今回は何といっても、この作品でも一、二を争う人気キャラ、ニコラス・D・ウルフウッドの登場が大きいでしょう。
今回はあまり活躍のシーンはありませんが、続編のトライガン・マキシマムでも大活躍します。

上記はあくまで私見です。

感想

今回は今後、トライガンマキシマムとして物語が続く中でも、重要なキャラクターが多数登場します。

ヴァッシュが追い続ける男、ナイブズ。
その配下であり、GUNG-HO-GUNSを束ねるレガート。
ヴァッシュとコンビを組むことになる、ニコラス・D・ウルフウッド。

私はこのウルフウッドの事が大好きです。
表面上は、おどけて飄々としていながら、内面はとても優しく、そして闇もその内に抱えながら、彼はヴァッシュと旅を続けます。

あらすじに書いたコインのシーンは、作品の中でも、とても好きなシーンの一つです。
自然な笑顔を見せる、ヴァッシュの表情が素晴らしく、ウルフウッドの事が一気に好きになりました。

無印トライガンはここで一旦終了し、物語はトライガンマキシマムへと続いていきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

広告

-漫画完結作品
-, , ,

関連記事

ランドセル

妻、小学生になる。 第一巻 登場人物・あらすじ・感想

妻、小学生になる。 1 芳文社コミックス 作:村田椰融 出版社:芳文社 十年前、妻を亡くしそれをずっと引きずっていた新島圭介。 家庭は暗く沈み、一人娘との会話もほぼ無く、夕食はコンビニ弁当二人黙って食 …

フリントロックピストル

黒博物館 ゴーストアンドレディ 上 あらすじ・感想

黒博物館 ゴーストアンドレディ上 モーニングKC 作:藤田和日郎 出版社:講談社 ロンドン警視庁(スコットランドヤード)の犯罪資料館「黒博物館」。 ある日、そこに一人の老紳士が訪れる。 彼は展示物の一 …

月と海

時給三〇〇円の死神 コミカライズ版 第三巻 登場人物・あらすじ・感想

時給三〇〇円の死神 コミカライズ版 3 アクションコミックス 原作:藤まる 作画:桐原いづみ 出版社:双葉社 この世に未練を残して死んだ人々。 生きていた頃と変わらぬ暮らしを続ける、その死者の未練を晴 …

おはぎ

白蛇様の花嫁 第三巻 登場人物・あらすじ・感想

白蛇様の花嫁 3 ガンガンコミックスONLINE 著:佐保里 出版社:スクエアエニックス あの世とこの世の境にある島。 そこであの世へ渡る渡し舟の事務所兼めしやで働く、女将の依子(よりこ)とその料理指 …

赤いバラ

着たい服がある 第三巻 登場人物・あらすじ・感想

着たい服がある 3 モーニングKC 作:常喜寝太郎 出版社:講談社 カヤとの出会い、離れていた父との再会、そして母との和解。 着たい服を着た事で今まで穏やかだったマミの周辺は俄かに騒がしく動き始めまし …

DMMコミックレンタル

広告
広告
田中
読んだ本の紹介等しています。
本を選ぶ際の一助になれば幸いです。