漫画完結作品

トライガン 第一巻 あらすじ・感想等

投稿日:2019年2月24日 更新日:

銃弾
トライガン1 YKコミックス

作:内藤泰弘
出版社:少年画報社

血界戦線の内藤泰弘さんの描くSFガンアクションです。
ヒューマノイド・タイフーンと呼ばれ、人として初めへ局地災害と認定された男「ヴァッシュ・ザ・スタンピード」がラブアンドピースを信条に、周りを巻き込んで大暴れ(本人は死人を出さず事を収めようと頑張っている)します。

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#1 600億$$の男 あらすじ1

星歴0104年07月21日13時06分―
第3都市ジュライ消滅から11時間

瓦礫と化し人も街もきえたその場所に金髪の赤いコートの男が独り佇んでいた。

はるか時の彼方
まだ見ぬ 遠き場所で
唄い続けられる
同じ人類のうた。

ヴァッシュ・ザ・スタンピード
推定年齢24歳
出身地不明
住所不定

レブナント・ヴァスケス伯、殺害およびG級器物破損容疑で指名手配中―
賞金額 生死に関わらず600億$$!!
備考 平和主義者

乾いた街を武装した四人の男たちが行く。
男たちの目の前に胸に破片の刺さった男が窓から飛び出してくる。
しかし四人は怪我人に一瞥もくれず通り過ぎた。

この街では、いやこの世界では人が死ぬことは日常茶飯事だ。
保安官事務所の本日の障害・殺人事件数がそれを如実に表していた。

レコードが唄う店内で一人の男が食事を取っていた。
その隣では少年が母親にエアガンを強請っている。
彼は子供用のおもちゃのピストルでは満足できないようだ。

赤いコートの男は運ばれた料理に舌鼓を打っていた。
店のドアが開きウエイトレスがいらっしゃいと口にする。
しかし、ショットガンを携えた男はドアを開けるなり食事中の男に向かって引き金を引いた。

店内は四人の男が放った弾で破壊され舞った煙で視界が閉ざされる。
子供の泣き声が響く中、煙が晴れるとそこには赤いコートの男が血を流して倒れていた。

男たちはおもむろに笑い声を上げる。
彼らは賞金稼ぎ、今日は人間台風(ヒューマノイド・タイフーン)と呼ばれる600億$$の賞金首を狙ってヴォルドールの片田舎までやって来たのだ。

はしゃぐ仲間をよそにマグナースと呼ばれた男は、倒れた賞金首に向けて銃を構え続けていた。
そのマグナースの顔が驚愕に変わる。
背後ではウエイトレスに仲間が店の建て替えを提案している。

建て替えの話にホント?と尋ねられ、賞金稼ぎは機嫌よくこちとら600億$$の億万長者だぜと答える。
口を挟んだのは倒れたはずの賞金首だった。

あらすじ2

彼はマグナースの持つ銃に指を突っ込み、肩を組みながら、気になってたんだわと笑顔で話した。
賞金稼ぎは、ケチャップで汚れた衣服のクリーニング代を請求する男に、天国行きの片道切符で我慢しなと銃を取り出した。

ズパンという音が店内に響き、賞金稼ぎの顔にはおもちゃの銃の吸盤弾が、一人に対して二発ずつ張り付いていた。
賞金首は「せっかちだ。せっかちすぎる!!」とため息を吐いた。

話し合いを提案する賞金首に、男の一人が震えながら何もんだと尋ねる。
「いやあ、自己紹介なんてテレますけど」と赤面しながら賞金首は言った。

「あえていうとするなら
 愛というカゲロウを追い続ける、
 平和の狩人…みたいなカンジ?」

決め顔でそう口にする賞金首に、巨漢の賞金稼ぎが激高し銃を向ける。
仲間の一人が、さっきので俺たちゃ死んでると宥めるが、賞金首が撃つなら撃ちなサイ!!と挑発する。

巨漢が銃口を賞金首の額に向け、引き金を引くが弾が発射される事は無かった。
あせる巨漢に賞金首が言う。

「ムリムリ!!
だってこの人以外、全員、
さっき全弾撃っちゃってんだもの!!」

長髪の男を指さし、そう言う賞金首に、「なんで分かる!!」とリーダー格の男が尋ねる。
「数えてた!!」賞金首はそう返した。

四人の賞金稼ぎは、身ぐるみを置いて店を去った。
助かったよと子供におもちゃの銃を返す赤いコートの男。

そんな彼に老人が、こうして「撃たずに」生きてきたのかねと尋ねる。

彼は、弾丸一発の値段で、ピザトーストが四枚食べれるからネ!とおどけて話した後、誰だって痛い事はゴメンでしょ!?人死にや怪我人は出ない方がいいに決まってます。としんみりと答えた。

それでガンマンが努まるのかと、店内が笑いに包まれるなか、ウエイトレスがコートの男に「ごめんね」と告げた。

船(シップ)から飛ばされたプラントと呼ばれる装置。
巨大な電球のようなそれは、プログラミングにより、物理法則を無視して生産を行うユニットだ。

そのプラントの恩恵を受け営業している店に、二人の女性が立ち寄る。
小柄なショートカットの黒髪の女性と、大柄で金髪の髪の長い女性だ。

二人はカウンターで、バナナサンデーとガトーミルフィーユとセイロンティーを注文した。
店に笑いが起き、下品な冗談が飛び交う。

大柄な女性、ミリィが過剰に反応した拍子に、彼女のコートの下から円筒を束ねた巨大な銃が落ちる。
床に転がったそれを片手で拾い上げながら、か弱い女の子に下品なことゆうのやめて下さーいと男たちに告げた。

怯える男たちを他所に、小柄な女性がマスターにヴォルドールまであとどれ位か尋ねている。
東へ10アイルも行けば船が見えて来るさとマスターは答える。

だけどと、彼は話しを続けた。
あそこは今、人間台風が来てるって話じゃねーか。
彼女たちは、その人間台風に用があってと答えるが、マスターは近づかない方がいいと忠告する。

今頃、凄いことになってる。マスターの話を聞いて、二人は店を飛び出し、ヴォルドールへ向けトマ(鳥に似た騎乗できる生き物)を走らせた。

一方、ヴォルドールでは賞金首の男、ヴァッシュ・ザ・スタンピードが銃を持った住民に取り囲まれていた。

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こんな方におすすめ

・ガンアクションが好き
とにかく銃弾が飛び交います。皆持っている銃がコスモガン(弾切れ無し)のような描写が多く、銃から吐き出された薬莢が地面に無数に転がります。
また、主人公のヴァッシュは凄腕のガンマンで、殆どの場面を愛用のリボルバーで切り抜けていきます。

・ガンアクションでも殺伐としたのはちょっと…
この作品ではシリアスな中にも、コミカルな部分が織り交ぜられ撃ち合いばかりは苦手な方にも親しみやすいと思います。

・アメコミヒーロー好き
作者の内藤さんが、フィギュア好きという事もあり、キャラクター達は、どこかアメコミに出て来るキャラを思わせる、デザインをしていたり、ごつい武器を持っています。
物語が進む毎にそれは加速していきます。

・心が温まる物語が読みたい
星の環境は苛酷で、犯罪に手を染める人々にも、理由があったりします。(ヒャッハーな人達は楽に稼ぎたい人も多いですが)この巻でもサンドスチームのエピソードや、リトル・アルカディアなど心があったかくなる話が収録されています。

上記はあくまで私見です。あらかじめご了承ください。

感想

熱砂の惑星で人々は、墜落した宇宙船。それに搭載されていたプラントにすがって、命を繋いでいました。

この物語は、その宇宙船によって築かれた七つの街の一つ「ジュライ」が一夜で消滅した所から始まります。
瓦礫の山に佇む金髪の男、ヴァッシュ・ザ・スタンピード。

凄腕のガンマンでありながら、人を殺さない平和主義者。
彼の筋金入りの不殺主義は、物語の終盤まで貫かれます。
まあそのせいで、人は死なないものの、被害は拡大していく傾向にあるのですが…。

この巻ではサンドスチームのお話が素晴らしいです。
ヴァッシュが人を殺さない事の根幹であるレムの姿がほんの少しですが描かれます。

唄のシーンは何度読んでも泣けてきます。

古い作品ですが、まだ読んだことの無い方は是非見て欲しい作品の一つです。

著者である内藤泰弘さんは現在、血界戦線の第二部を執筆されています。そちらもかなりお勧めです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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