虎鶫 とらつぐみ -TSUGUMI PROJECT- 4 ヤンマガKC
著:ippatu
出版社:講談社
核大戦によって滅んだ旧日本。
その日本にある秘密兵器「TORATSUGUMI」
それを探すレオーネ達の旅路を描いた作品。
商人のヲオドと取引しボウガンを手に入れたレオーネ達。
だがその直後、謎の襲撃者に襲われる。
襲撃者はヲオドが手配した刺客で、ヲオドは取引した相手の持ち物を漁るスカベンジャーでもあったのだ。
登場人物
たま
さたけの故郷、イカホの娘
さたけの妹、みかづちの娘。
イカホの民は13歳で体が大きく成長するが、彼女は小さいままだった。
里の掟により大回行(おおまわりぎょう:各山の山頂に記された紋様を木札に写し取る、一年掛けて行われる修行)に出てレオーネ達と出会う。
みかづち
イカホの民の長
さたけの妹。
彼女もたまと同様、13歳の時点では体は小さかった。
その後、さたけの助けを借り大回行を終え、15歳から大きく強く成長した。
トラモドキ(翼を持つ大型の肉食獣)も狩るパワーファイター。
昔はさたけと仲が良かったが、現在は姉妹仲はこじれている。
イカホの民
かつてさたけが長を務めた一族。
イカホの民は女の方が体が大きく強靭で、戦士として民を守り導くようだ。
さたけは厳しい里の掟を変え弱い者も生きていける様にしたが、外と交流した事で秩序が乱れ、隣里との領土問題等も発生したらしい。
あらすじ
レオーネ達を襲った襲撃者は予想外のドゥドゥの反応のよさと、つぐみととらの介入で割に合わないとその場を去った。
襲撃の依頼人、ヲオドの下へ戻った襲撃者はつぐみ達の存在を隠していたヲオドに不満をぶつけ、今後の取引の継続は無い事を告げた。
そんな二人の下へさたけが訪れる。
彼女はヲオドにレオーネに手出しするなら、自分が相手になると警告。
何かする様なら殺すと宣言しヲオドの下を後にした。
その後、さたけは、スタジアムに人の気配を感じ向かおうとしていたレオーネ達の前に姿を見せ、そっちに行くなとレオーネ達を止めた。
彼女はその後、東から迂回するのが安全だと、レオーネ達と同じ方角に向かう旨を話し、旅への同行を希望した。
感想
今回はイカホの民、さたけの加入とイカホの娘、たまの登場、さたけの過去と妹、みかづちとの戦いと別れ等が描かれました。
登場した当初、完全にボス猿といった雰囲気だったさたけでしたが、この巻では強く聡明で優しい女性として描かれていました。
そんなさたけをレオーネも信頼しているようでした。
今回はそんなさたけが過去に行った事が印象に残りました。
彼女はかつて長としてイカホの里の掟を改革していた様でした。
イカホの里には血掟と呼ばれる厳しい掟がありました。
一、里脱者死罪
二、騒動を起こした侵入者死罪
三、男に負けた女死罪
四、決闘はいかなる場合でも中断してはならない
五、大回業は十三の出生刻に決行、相背きし者死罪
六、大回業放棄死罪
上記の六つをさたけは変えた様ですが、現在の長、みかづちは暴力による規律を良しとし、元に戻したみたいです。
平和で弱い者も生きていける場所を目指していたさたけ。
変化は混乱を生む事もあるのでしょうが、個人的にはみかづちが行っていた力による支配より、さたけの目指した弱者を救うやり方の方が魅力的に感じました。
まとめ
この巻でさたけの事がより一層好きになりました。
……メインヒロインはつぐみだった筈なのですが……。
この巻のラスト、レオーネ達は新潟に到着しました。
その新潟で人語を介する翼を持った巨大な猿に襲われる事になりました。
レオーネ達が一体どうなるのか。続きが楽しみです。
この作品はヤングマガジン公式サイトにて無料で第一話がお読みいただけます。
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