BADDUCKS バッドダックス 1 webアクションコミックス
著:武田登竜門
出版社:双葉社
幼い頃、両親が自殺して二十年、苦労しながらも現在は運送業者として働く男、モーガン。
三十歳の誕生日のその日、彼は恋人のオリビアに指輪を送り、プロポーズする事を考えていた。
だが、家に戻った彼を出迎えたのは両親の借金の証文を持ち、オリビアに銃を突き付けるグエン率いるヤクザだった。
借金の額は五億。
グエンは臓器を売り払えば借金を払えるとモーガンに提案。
一時は激高しかけたモーガンだが、オリビアの書類は本物という言葉で勢いを無くす。
モーガンの両親は全てをモーガンに押し付け、自分達は死んで苦しみから逃れたのだ。
オリビアに指輪を渡し、彼女に別れを告げグエンに同行したモーガンはグエンの持つ工場で殆どの臓器を代替品と交換、更に謎の機器を体内に埋め込まれる。
登場人物
モーガン・グレイ
二十年前に自殺した両親の借金を背負わされ、体から臓器を抜かれた男
刈り上げオールバック眼鏡の大柄な男。
抜かれた臓器の代わりに代替の人工臓器と謎な機器を埋め込まれる。
その所為か人を超えた力を得た。
力は強いが消耗が激しく、突然動けなくなる事に加え、大量に食料を必要とする様になった。
オリビア=スミス
モーガンの恋人
黒髪シニヨンの女性。
モーガンとは同棲しており、結婚間近だったが借金の事で無理矢理離れ離れになる。
役所勤務。
グエン
ヤクザのボス
黒髪眼鏡で耳の尖った男。
長命種だったルカの臓器を移植し不老長寿を得たっぽい。
モーガンを両親の借金を理由に脅迫拉致し、臓器を抜き取り改造した。
ルカの幻覚に悩まされている。
ルカ=ディルマン
頭に触覚の生えた種族の男
緑髪長髪美形。
人の何倍もの寿命を持つ長命種。
グエンに色々奪われ、自死を選んだ。
リサ
ルカと同じ種族の女
緑髪ショートの美女。
種族の最後の一人。
本名はアイーシャ=エリザベス=ライト=ダナエ=シンシア=ガブリエラ=モロー。
グエンが経営するキャバクラ的な店で働いていたが、客として来たモーガンに目を付け、盗みを持ち掛ける。
脱走防止として足の腱を切られている。
エリック=マイヤー
市長の息子
金髪の優男。
父親の金で遊び歩いている放蕩息子。
遊びで出来た子供を手切れ金と一緒に鞄に詰めていたが、それを女に渡す前にモーガンたちに盗まれる。
ボズ=マイヤー
エリックの息子
手切れ金と一緒に鞄に詰められていた赤子。
モーガンたちに鞄ごと盗まれ、その後、行動を共にする事になる。
ジゼル=シベット
グエンの店の女
黒髪ショートで牙な女。
多分、吸血鬼。
イーサン=ハフリンガー
グエンの部下
金髪サングラスに黒スーツな男
グエンからジゼルと共にモーガンを追う様、指示を受ける。
シン=アルマド
グエンの部下
スキンヘッドサングラスに黒スーツな男。
彼もグエンからモーガンを追う様、指示を受ける。
別組織のスパイだったが、すぐにグエンに見抜かれた。
あらすじ
次に目覚めた時、モーガンは頭にビス、首の後ろにはパイプが突き出た姿に改造されていた。
そんなモーガンを連れ、グエンは自分が経営する店へと向かう。
臓器売買は法律違反だが、グエンは政府と裏で繋がり戸籍を抹消する事で売買を正当化していた。
戸籍を持たない人間は名目上存在しないという訳だ。
グエンはモーガンに店で遊んでいけと告げた。
何処に行くのも自由だが、戸籍の無くなったモーガンに行き場は無く、彼はグエンの工場で働くという選択肢しか残されていなかったのだ。
それを分かった上での最後の手向けが店で女と遊ぶ事だった。
そんなモーガンに店のキャストの一人、リサが話しかける。
彼女は市長の息子で客のエリックから別荘の鍵を盗んでいた。
その別荘から金を奪い、逃亡する計画を彼女は立てていたのだ。
その相棒として体が大きく、使えそうなモーガンに白羽の矢を立てたのだった。
感想
両親の借金で改造された男と、種族の最後の生き残りとして店に縛り付けられていた女。
政府とも繋がりを持つヤクザ、グエンに人生を狂わされた二人が泥棒で食い繋ぎながら赤ん坊と三人、逃亡の旅を続ける。
作品には人間以外の種族も登場しており、リサの様な長命種の他、グエンやジゼルも人ではない様です。
また、リサの血には特殊な効果もあるようでした。
舞台はアメリカ風な場所、都市間の行き来にはIDが必要な様です。
モーガンは唯一IDを持つリサの助けで逃亡の旅を続ける事になります。
作品はそんなオリジナリティあふれる設定に加え、キャラクターも作画もストーリーも魅力的で無茶苦茶面白かったです。
まとめ
強盗しながら旅を続けるモーガンたち。
彼らの行く先がどうなるのか、放たれた追手との対決は。
次回も読むのが楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こちらの作品はwebアクションにて一部無料で閲覧いただけます。
作者の武田登竜門さんのTwitterはこちら。