スティグマ 2 ビッグコミックス
著者:井浦秀夫
出版社:小学館
無実の罪で刑務所に二十五年服役したヤクザ、鬼束与(おにづか たすく)。
刑期を終え出所した鬼束だったが、すでに組は無く舎弟の月波の居場所も分からない状態だった。
行き場を無くし、金も無い鬼束は実家近くの山中で命を救ってくれた妖しい美女、ユキと東京で再会。
彼女に導かれ生活保護ビジネスを行う、シェアハウスへと身を落ち着ける。
だがビジネスの事を知った鬼束はシェアハウスを出て、ユキに自身の過去、事件の事や現状を語る。
登場人物
穴黒侠介(あなくろ きょうすけ)
初代穴黒組組長
戦後の混乱期、無類の強さで弱い者達の英雄になった。
鬼束の為、自宅の金庫に金を蓄えていたらしいが……。
役所丸広子(やくしょまる ひろこ)
鬼束の舎弟月波(つきなみ)の恋人
月波を探す鬼束を恐れ、月波に鬼束に会うなと強く迫る。
あらすじ
組長、穴黒侠介の面子に泥を塗ったのは伝刀組(でんとうぐみ)のチンピラだった。
鬼束はその報復の為、伝刀組組長、強瀬嵐士(こわせ あらし)の命を狙った。
しかし、鬼束が強瀬のマンションに行った時には、既に強瀬は襲撃を受け死んでいた。
その後、鬼束がアパートに戻ると、彼は待ち構えていた丸暴の刑事に身柄を取り押さえられる。
そのまま、収監され、鬼束はやってもいない強瀬殺害を自分の手柄の様に吹聴する訳にもいかず、計画を知っていた舎弟の月波を売る事も出来ず、黙秘を続けた。
その後、情婦の家から拳銃が見つかり、鬼束は覚えのない強瀬の殺害プラスその拳銃が引き起こした別の殺人事件の罪も背負いこむ事になってしまった。
結果として鬼束は20年プラス5年という長い時間を、刑務所で過ごす事となった。
自分の為に行動を起こしたと組長の穴黒は感じ入り、鬼束に一千万の金を残していると手紙で伝えていた。
その管理は舎弟の月波がしている筈で、彼は度胸が無く、自分を裏切る事は無いと鬼束は考えていた。
その月波が姿を消した。
月波の失踪は、強瀬組長を殺した真犯人が関わっているかもしれない。
もしそうなら、自分は月波を救わなければならない。
そんな鬼束の話を聞いたユキは、その言葉に嘘は無いと感じ、鬼束に協力する事を決めるのだった。
感想
今回は姿を消した舎弟の月波を追いながら、鬼束が心酔していた組長、穴黒侠介のひととなり等が語られました。
鬼束の穴黒に対する思いも多分に憧れや敬愛が入っており、客観的とは言えず、月波の恋人、広子が語る穴黒の姿も、広子が穴黒を嫌っていた事から真実なのか疑念が残ります。
穴黒が手紙で鬼束に伝えた消えた一千万の行方、それも穴黒が使いこんだのか、それとも誰かが盗んだのか、真相が分からないまま物語は進んでいきます。
また、化生(妖怪)であるユキの過去にも、何やら血生臭い物がある様です。
真実はどうなっているのか、先が気になります。
まとめ
表面上、ツンツンしながらも何だかんだで鬼束を助けるユキ。
彼女が今一つ要領の悪いヤクザおじさん、鬼束に魅かれる理由とは?
次巻も読むのが楽しみです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。