BADON バードン 5 ビッグガンガンコミックス
著:オノ・ナツメ
出版社:スクエアエニックス
元犯罪者、ハート、リコ、エルモ、ラズ。
四人が首都バードンで再起をかけ開いた煙草店「プリミエラ」の物語。
前回はプリミエラの小さな家政婦リリーを中心に、バードン南区のヤッカラ街で暮らす人々の様子が描かれました。
そして季節は過ぎ、秋。
プリミエラが始動して一年が過ぎようとしていました。
登場人物
ジーナ・ハウジー
リリーの母親
元娼婦。
ダリオ・ブラグ
元巡査
リリーの父親。
殉職。
ラズが関わった強盗事件の際、ラズの恋人を射殺した。
ジョン
洋菓子店ハチクマのパティシエ、ドナの元恋人
黒髪短髪の男性。
仕事でバードンを出ていたが何年かぶりに戻って来た。
バーン
タバコ職人
黒髪ちょんまげで眼鏡な男。
プリミエラを出たラズにタバコづくりを教える。
偏屈で口は悪いが腕はよく、面倒見もいい。
ルーシー
ラズの恋人
おじさんが残した借金返済の為、銀行強盗を計画。
彼女の身を案じたラズも計画に加わったが、銀行を警官隊に囲まれ最終的にリリーの父親であるダリオに射殺された。
あらすじ
プリミエラが始動し一周年が近づく秋のある日。
不動産屋リコとの会話をエルモに聞かれ、リリーの年齢が実は十七歳だとプリミエラの仲間に知られる事となった。
彼女の年齢を見た目が小さい事もあって12歳としたのは、ひとえに女の子が大好きなエルモの事があったからだ。
彼は守備範囲は二十歳以上と主張したが、それでも気を使ったのか新たに出来た恋人の家へと越していった。
そんな風にして始まった二年目のある日。
ハートが昔所属していた組織の若頭、マルティがプリミエラに訪れる。
彼と相性の悪いハートが苛立ちを募らせる中、マルティは調べたリリーの素性をペラペラと喋り続ける。
リリーの母親は元娼婦のジーナ・ハウジー。
そして父親は警官のダリオ・ブラグ。
それだけ言うとマルティは迎えに来た彼のお守り役、ジャコモに連れられ店を後にした。
マルティが去った後、殉職したというその警官の名前を聞いて、ラズはハートに本当か?と尋ねる。
ダリオ・ブラグ元巡査、リリーの父親だというその男は、かつてラズが関わった強盗事件の際、丸腰だった恋人ルーシーを射殺した警官だった。
感想
今回は開店から一年が過ぎ、新たな目標、店の名前の入ったタバコを作るというものを定める所から始まり、リリーの父親が自分の仇である事を知って店を出たラズの様子がメインで描かれました。
今回はその中でもラズの過去が印象に残りました。
かつては古着屋を営んでいたラズ。
彼が銀行強盗に加わったのは恋人ルーシーの為でした。
そのルーシーを失い、仇であるダリオも殉職。
ラズにはもう生きていく理由がなく、刑務所の中で暗く沈み過ごしていました。
図書室係だったリコに本を借り、静かに本を読む日々。
そんなラズにハートは声を掛け、それにエルモが加わり、刑務所に差し入れられるタバコの繋がりによって四人は結ばれる事になります。
ラズはハートに引きずられる形でバードンにやって来ましたが、この巻でようやく彼にも目標が出来たようです。
終盤、店に戻ったラズの笑顔がとても良かったです。
まとめ
この巻ではラズの過去が描かれました。
次巻ではいよいよハートの過去が描かれるのでしょうか?
次巻も楽しみです。
この作品はpixivコミックにて一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。