ノー・ガンズ・ライフ 13 ヤングジャンプコミックス
著:カラスマタスク
出版社:集英社
拡張者(エクステンド)と呼ばれる機械化により身体能力を上げた者達。
その中でも凶器の拡張者と呼ばれたGSU(ガンスレイブユニット)。
そのガンスレイブユニットである乾十三(いぬい じゅうぞう)と拡張者の補助脳を操れるハルモニエを宿した少年、鉄郎(てつろう)とその仲間たちの戦いを描いた作品、その完結巻。
登場人物他
ウォシャウスキー博士
拡張技術の研究者
拡張技術、補助脳およびハルモニエの開発者
オネストは生まれ付き声を発する事が出来ず生まれた息子、総一郎の為に彼に出資した。
あらすじ
鉄郎の奮闘も虚しく、鉄郎と同じくハルモニエの適合者であり、十三の相棒だった男、荒吐水素(あらはばき すいそ)はベリューレンのCOOオネストの下へと戻った。
水素の狙い、それは補助脳を世に普及させ、ハルモニエによって街を統一された意志、自分の息子の疑似人格である荒吐総一郎によって支配する事を望むオネストの本体の抹殺であった。
ベリューレン本社内に作られた巨大な人工知能、それと繋がり全てを総一郎の疑似人格に乗っ取られる前に、水素は疑似人格の記憶を頼りにオネストの下へと辿り着いた。
何人もの兄弟の犠牲の上に水素はオネストの頭に銃弾を放つ事に成功する。
だが、オネストの本体は既に朽ちていた。
実際にオネストとして計画を動かしていたのは人工知能内に残るオネストの疑似人格だった。
結果として水素の意識は総一郎の疑似人格によって上書きされ、街は広域型ハルモニエによって総一郎の支配下に置かれる事となった。
そんな状況の中、水素の仕掛けた保険によってハルモニエの支配を逃れた十三はオネストが操る十三のコアを持つ拡張体と対峙する。
感想
今回は鉄郎と水素の戦いから始まり、十三を取り戻すべく動き始めたオリビエ、エドムント、セブンの三人、ベリューレンCOOであるオネストの過去、水素の目的、疑似人格に支配される街、オネスト対十三、エピローグ等が描かれました。
今回はその中でもCOOオネストの過去が印象に残りました。
彼女は街を補助脳を付けた人々で溢れさせ、ハルモニエによりその全てを支配する事を望んでいました。
オネストがそれを望んだのは愛してやまなかった息子、総一郎の死が切っ掛けでした。
彼女が総一郎と共に暮らしていた頃、街ではネイティブと入植者の争いが激化していました。
その争いに巻き込まれ、総一郎は死亡。
オネストは拡大する争いに元々、言葉の話せない総一郎の為に資金援助した拡張技術を提供、ハルモニエによる強制的な平和を計画しました。
疑似人格による人の意識の統一、果たしてそれは人間と呼べるのだろうか。
エピソードを読んでいてそんな事を思いました。
まとめ
頭部が銃の拡張者、ガンスレイブユニット乾十三の物語もこの巻で完結。
ですが慌ただしい彼らの日々は今後も続いていくようです。
またいつか、そんな十三達の日々を見れたら、そう思える作品でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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