僕らが恋をしたのは 1 KC KISS
著:オノ・ナツメ
出版社:講談社
年老いた男四人が暮らす山中の楽園。
その男達の楽園に一人の年老いた美女がやって来る。
かつて女優だったらしいその美女は新たに建てられたログハウスで暮らし始め……。
登場人物
大将
短髪白髪の男性
定年を機に両親の持っていた土地に移住した。
六年前に妻を亡くしている。
キザ
大将とは中学時代からの友人
白髪鼻眼鏡な老人。
キザというあだ名は本名とその言動から付けられた。
大将の移住に合わせ、彼から土地を購入し夢だった英国風の家と庭を作り移り住んだ。
女好きでそのルックスから良くモテた。
女性関係の問題で妻とは別れたが、家族からは毎年写真が届く。
教授
眼鏡で本好きな老人
一年前から大将が貸し出していた別荘で暮らしている。
寡黙で冷静な印象。
ドク
長髪でバンダナな老人
依頼を受けて大将の家に住み込みログハウスを建てている。
世界中を旅しており、アラスカでは狼に襲われたらしい。
お嬢
昔、女優をしていたらしいミステリアスな老婦人
大将たちに個別に過去を語るが、その過去は全て別の物。
あらすじ
山中に開かれたリンゴ畑と周囲を林に囲まれた静かな土地。
そこには四人の年老いた男が暮らしていた。
土地の持ち主の大将。
大将の友人で土地を買い英国風の家と庭を作ったキザ。
敷地内にあった別荘に住む教授。
大将から頼まれ、敷地内にログハウスを建てているドク。
四人は適度な距離を保ちつつ、その静かな楽園での暮らしを楽しんでいた。
そんな男達の楽園にある日、一人の美女が訪ねてくる。
彼女は大将が六年前に蕎麦屋に貼った、教授が住む家の貸し出しのチラシを見て家を借りようと足を運んだらしい。
家は既に教授に貸してしまった事を告げ、大将は女性に詫びたが彼女はログハウスが完成間近だと知ると、そこに住むと言い出した。
感想
年老いた四人の男と謎の美女とのスローライフな生活を描いた作品。
第一巻ではキザと大将の過去が少し語られ、それに合わせて謎の美女、お嬢が身の上を話しました。
登場人物紹介で書いた様に、その際、お嬢が語った過去はキザに対しては渡米し映画の端役をやっていたという物で、大将に対しては日本でのドラマ出演の後、結婚し役者を辞めたという物でした。
お嬢が役者だったというのは、大将達もテレビを見て知っているので真実なのでしょうが、その後についてはどちらも嘘ではないかと思われます。
何故、お嬢がそんな嘘を吐くのか。
男四人が暮らす不便な土地に入り込んだのは何が目的なのか。
余り自分を語らない教授やドクの過去も含め、色々気になります。
まとめ
男四人が謎の美女、お嬢とどんな関係になるのか。
年齢的に全員が定年後なので、若く激しい恋的な展開にはならないでしょうし、これまで読んだオノさんの作品の印象からも感情むき出しな感じにはならない気がします。
そういった時代の過ぎ去った穏やかな凪ぎの様な雰囲気の作品でした。
こちらの作品はコミックDAYSにて第一話が無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。