スインギン ドラゴン タイガー ブギ 6 モーニングKC
作:灰田高鴻
出版社:講談社
ピアニストの志摩時子(しま ときこ)の過去の告白を聞いた龍治(たつじ)は、彼女がピアノを弾けなくなった原因を作った男の下へと向かう。
にやけづらで時子との情事を語る男に龍治は激高、ベーシストにとって大事な手を気遣う余裕もなく男に拳を振るってしまう。
商売道具の顔を傷付けられた男は龍治の右肩をアイスピックで刺し、その勢いのまま龍治は店の窓から川に落ちてしまうのだった。
あらすじ
川に落ちた龍治は何とか自力で土手に這い上がった。
そんな龍治をヤクザ者の桃井が医者に運ばせる。
病院に運ばれ治療を受けた龍治は、店の窓から川に落ちた事で失った過去を思い出していた。
とらの姉、依音子(いねこ)との思い出と、とらと過ごした時間が重なり龍治は混乱しながらも全てを思い出し、その足は依音子のいる福井へと向かった。
一方、とらは過去の悪事で警察に追われ、身を隠したプロダクションの社長、森田の指示で名古屋に向かう。
向かった先の名古屋駅で列車に乗った龍治を見たとらは走り出した電車に飛び乗り、龍治と共に福井へ向かう事となるのだった。
感想
今回は川に落ちて記憶を取り戻した龍治のエピソードから始まり、森田の高跳び、とらの伯父、敬忠(のりただ)と、とらの父、敬助(のりすけ)と女中でとらの母親代わりだったトシの過去、龍治と依音子の再会、オールキャストでのバンド演奏、エピローグ等が収録されました。
今回は最終回での龍治と丸山のセリフ。
「俺もお前も残された側の人間になっちまったからな」
「そんなこと言ったら、この世には残された側の人間しかいないだろ」
というのが印象に残りました。
過ぎ去ってしまった事、終わってしまった事、色んな物を押し流し時間は進んでゆく。
そんな時の流れの中でも音楽はずっと彼らと共にあった。
最終回のエピソードを読んでいてそんな事を思いました。
まとめ
煌めき激しく燃えていた時代。
多分、それは青春と呼ばれる時ではないでしょうか。
音楽はいつだって心をその時代へと呼び戻してくれる。
最終巻を読み終えて、そんな、むかし聞いていた音楽を聞いた時の様な懐かしさと寂しさが入り混じった感覚を覚えました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
作者の灰田高鴻さんのTwitterはこちら。