漫画完結作品

黒博物館 ゴーストアンドレディ下

投稿日:2019年2月18日 更新日:

ランプ黒博物館 ゴーストアンドレディ下 モーニングKC
作:藤田和日郎
出版社:講談社

※こちらは多分に上巻のネタバレを含みます。ご注意ください。

ドルーリー・レーン王立劇場で〈灰色の服の男〉グレイと出会ったフロー(フロレンス)は、彼女が絶望した時、その命を奪うというグレイを連れて、両親と対決する。

両親の生霊に魂を傷つけられながら、二人の理解を得ようとフローは言葉を紡ぐ。
しかし彼らはフローの話を一蹴し、自らの価値観をフローに押し付ける。
道が閉ざされ絶望しそうになるフローだったが、絶望しどうせ命を奪われるならと、両親に自分の気持ちをぶつけ、道を突き進むことを宣言する。

彼女がこれから人生と言う名の舞台を、どう演じていくのか観たくなったグレイの助けもあり、フローは両親の軛から解放された。

その後、フローは経営困難に陥った病院の経営を立て直す。
看護婦たちの労働環境を改善、不衛生なベッドや椅子、カーテンを清潔な物に交換し、ずさんな経理を一新した。
患者が看護婦を呼ぶための、呼び鈴を使い看護婦の負担を軽減し、合理性を追求した。

スラム街のコレラ流行では、ミドルセックス病院で患者を看護し、その後、フローはクリミア戦争で、負傷兵が運ばれるスクタリ陸軍野戦病院に、友人の戦時大臣がフローに依頼する三日前に看護婦を連れて出発していた。

しかし、野戦病院を取り仕切る軍医務局は、フローたちを認めず満足な看護が出来ない日々が続いた。
しかし、病院の容量を遥かに超えた傷病兵が送られてきた事と、軍の上級外科医マクリガーの存在が、フローたちに傷病兵を看護するきっかけを与える。

グレイの助けもあり、ようやく患者を診ることが出来るようになったフローたち。
さらに物資不足も、フローがコンスタンチノープルで買い込んだ資材で賄われた。
彼女は国と有志からの、多額の資金の運用を任されていたのだ。

フローの献身と努力は傷病兵のみならず、医務局で働く者たちの心も掴んでいった。
しかしそれを良しとしない者もいる。
軍医長官ホールは、フローを亡き者とするため、グレイと同じく幽霊の決闘士デオンにフローの暗殺を依頼した。

デオンから間一髪でフローを守ったグレイだったが、デオンの剣は霊体であるグレイに深い傷を負わせた。
デオンはグレイを殺した者だった。
デオンはその偶然を面白がり、場を仕切りなおすため二人をのこし去って行った。

傷ついたグレイは、思い出した生い立ちをフローに語る。
彼は母に捨てられ、親友と思っていた者にも裏切られ、愛した女性にも去られ、失意のなかデオンと戦い、孤りぼっちで命を落としたのだった。

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第14話 孤りでは死なせないとレディは言った

あらすじ
デオンに殺されたグレイは、気が付くとドルーリー・レーン劇場の客席に座っていた。
愛した女、女優シャーロットが舞台を去った後も、グレイは芝居を見続けた。
いつかシャーロットが再び舞台に上がることを夢見て……。

それを聞いたフローは涙を流す。
グレイはデオンとの因縁を話しただけで、同情が欲しかった訳じゃないと怒りを見せる。
フローは自分が泣いた理由をグレイに説明しようとするが、心配したボブ(患者だった少年兵)が駆け付けた事によりうやむやになる。

毎日送りこまれる患者の看護、食材、資材の管理の他、患者の受け入れにもフローは立ち会った。
彼女はなぜか重症の患者の到着に気付くことが出来た。

そして夜、今まさに息を引き取らんとしている患者の手を握り、フローは優しく彼に語り掛けていた。
フローは死に際にいる患者の傍を離れなかった、彼の苦痛が死によって解き放たれるまで。

グレイは、ソイツらはもう何も聞こえないし、放っておいていいのではないかとフローに聞いた。
そうかもしれませんとフローは答え続けて言う。
これはグレイの話を聞いて泣いたことが、起因していた。
同情ではなく、グレイの事を聞いて心に誓ったのだ。

「私は、目にとまった病人は誰であろうと、絶対に孤りでは死なせません。」

その言葉を聞いてグレイの心にも一つの決心が湧く。
それが二人の関係を変えていく「兆し」となった。

感想

ランプの淑女と呼ばれた、フロレンス・ナイチンゲールの物語、その下巻です。
フローは本国イギリスに、野戦病院の状況を訴え続け、それは英国の衛生委員会を動かすことになります。

衛生委員会は、病院の床下が汚物で溢れている事や、トイレや給水設備の欠陥を改善します。
それにより、患者の死亡率は50%を超えていたものが、10%近くまで低下したのでした。

フローはその後、ホールと。
そしてグレイはデオンとそれぞれ対決します。

始まりから終わりまで、スピード感のある展開で一気に読み終えてしまいました。
エンディングはまるで舞台の幕が下りるような、素晴らしい読了感でした。

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