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ヴィンランド・サガ 第十九巻 第百三十一話 あらすじ・感想

投稿日:2019年2月14日 更新日:

犬
ヴィンランド・サガ19 アフタヌーンKC

作:幸村誠
出版社:講談社

ノルウェーのベルゲンを発ち、デンマーク、イェリングを訪れたトルフィン達、そこでトルフィンはトルケルの部下に見咎められる。
仲間が面倒に巻き込まれるのを嫌ったトルフィンは、トルケルの部下と共に王居館を訪れる。

そこで再会したトルケルに、フローキーを紹介される。
フローキーが所属しているヨーム戦士団では、現在、次期団長をめぐって争いが起きていた。
先代団長が後継者を指名せず、急死したことが原因だった。

フローキーは先代団長の子であり、二代目団長シグヴァルディの孫、さらに自身の孫でもある十歳の少年を推していた。
それに反発した幹部のヴァグンが、拠点であるヨムスボルグを配下を連れて離脱、力を蓄え軍団長の地位を狙っているという。

指名がない以上血統で選ぶのが当然と話すフローキーに、トルケルが寸劇を挟みながらトルフィンを推す。
血統でいうなら、トルフィンもシグヴァルディの孫であり、さらにヨームの戦鬼と恐れられたトールズの子だ。
しかもトルケルに一対一で勝ったこともある。

戦争が面白くなればいいだけのトルケルは、トルフィンに自身と組んで、ヨーム戦士団を乗っ取らないかと持ち掛ける。
その申し出を突っぱね、フローキーに対しても団長になるつもりも、戦士団に関わるつもりも一切ない事を告げ、王居館を後にした。

しかし自身の孫を団長に据えたいフローキーは、確実を期すためトルフィンの追跡を部下に命じる。
急ぎイェリングを出港したトルフィンだったが、追っ手に気付きエイナル達と別れ、追っ手を撒いてからの合流を提案する。

フュン島、オーゼンセで合流することを決め、トルフィンは船を降りる事になった。
トルフィンを監視するため、ヒルドも同行すること希望した。
ですがとトルフィンは口にするが、お前には私に指図する権利などないと一蹴され、やむなくトルフィンはヒルドと共に一旦南下、その後、漁師に交渉し船でフュン島を目指すことにした。

だがフローキー旗下のヨーム戦士団は、トルフィンの動きを潰すため、関わり合いのない漁師たちを殺害し、船を破壊していた。
トルフィンはこれ以上被害が出るのを防ぐため、戦士団の前に姿を現す。

トルフィンは、フローキーの下に連れていけと口にするが、彼らの目的はトルフィンの抹殺だった。
戦士団と戦う事になったトルフィンだったが、素手で戦士団を圧倒。
ヒルドの援護もあり、襲い掛かって来た戦士たちを全て打ち倒した。

残り三名となった追っ手だったが、そのうちの二人はヴァグンが送り込んだ間者だった。
彼らはトルフィンこそ軍団長にふさわしいと、長であるヴァグンとの対面をトルフィンに打診するが、トルフィンは自分はただの旅の商人だ、巻き込むなと怒りを顕わにする。

彼らはこのままトルフィンが逃げれば、犠牲が増えることを訴え、トルフィンに自分たちの船を使って欲しいと請うた。

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第131話 バルト海戦役7

あらすじ
ヴァグンの部下の船に乗りついた先は、彼らの大隊の駐屯地だった。
仕方なく顔だけ見せて去ろうとしたトルフィンだったが、出会ったヴァグンは、号泣しながらトルフィンを抱きしめた。

彼はフローキーの事を奸臣と呼び、トルフィンの父トールズの死もフローキーの謀略が原因だ語る。
ヴァグンはフローキーについての黒い噂は以前からあったが、証拠がなく戦士団の有力な武将の死に、フローキーが関与していると感じながら手を打つことが出来なかった。

だがヴァグンはトールズがフローキーに、謀略により殺された証拠を手にいれたと話した。
捕らえた盗賊が、自分はアシェラッドの軍団にいたと話したらしいのだ。

捕らえられた盗賊は、アトリだろうか。
ヴァグンは男の口から、フローキーがアシェラッドに命じ、トールズを襲わせたことを聞き出したようだ。

フローキーが…何故…と口にするトルフィンにヴァグンは言う。
トールズは優れた戦士で、第三代団長の地位が約束されていたと。
フローキーは己より優れた者を排除することで、現在の地位を得たのだ。

トールズが死ぬことになったのは、フローキーが原因だと知り、トルフィンの中で暗い怒りの感情が暴れる。
なんとかそれを抑え込んだトルフィンだったが、独りにさしてくれと夕陽が照らす海岸近くの岩に腰を下ろす。

佇むトルフィンにヒルドが声をかける。

「お前がお前の父親の仇を討つというのなら、
私も私の父親の仇を討つぞ。」

わかっています。自分が父の仇を討つ資格なんかない事はとトルフィンは答えた。
ただと彼は続けた。

「一瞬……頭が真っ白になって……
怒りが…怒りがオレを……完全に支配した……」

怒り…と返すヒルドにトルフィンは恐ろしいんですと答えた。
彼はフローキーの姿を目にした時、何もかも忘れてズタズタに引き裂くでしょうと話した。
ヒルドは冷ややかに、かもな、お前の正体は残忍で冷酷な殺人鬼だと口にした。

トルフィンは、いつになったらオレは、生まれ変われるんだろうと呟き、続けて言った。

「もっと、優しい人間になりたいのに
もっと、強い人間になりたいのに」

感想

ヨーム戦士団の後継者争いに巻き込まれたトルフィンは、自身の願いとは裏腹に争いに引き込まれていきます。

今回は命のやり取りにしか興味のない、槍使いのガルムが登場します。
彼の存在が争いに更なる混乱をもたらします。
トルケルのぶれなさや、ギョロのハッタリっぷりが楽しい巻でした。

ヴィンランドサガ・サガ 第二十巻 あらすじ・感想

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