ながたんと青と ―いちかの料理帖― 3 KC KISS
著:磯谷友紀
出版社:講談社
四十名の予約を何とかやり切ったいち日(いちか)。
夫、周(あまね)の真意も聞き、彼が自分を道具としてしか見ない山口の家から逃れたがっている事も知った。
その為に、周は桑乃木を立て直す為、いち日に今働いているホテルを辞めて欲しいというのだが……。
登場人物
藤原親氏(ふじわら ちかうじ)
お茶の先生
食通で言いたい事はハッキリ言う。
今回のいち日の料理はお気に召さなかったようだ。
浅野(あさの)
芸妓の市賀のお得意様
壮年の男性
市賀(いちか)
芸妓
京都でも有名な芸妓さんみたい。
いち日の料理を気に入り芸妓仲間に宣伝する。
藤田(ふじた)
京山新聞の女性記者
セミロングの女性。
以前、40名の予約、日米の交流会を取材し記事にした。
みちや
桑乃木の養子
伯母の町子(まちこ)が連れて来た小学一年生男子。
戦争で母親を亡くし、親戚の家で暮らしていた。
親戚の家では余り食べさせてもらえなかった為か、とても早食い。
あらすじ
周の言葉を受け入れ、働いていたGHQの接収したホテルの厨房を辞めて、料亭「桑乃木」の料理人として本格的に動き始めたいち日。
しかし、悪戯や冷やかしの電話はあるものの客足は伸び悩む。
更には、以前の料理長戸川と比べられ、彼の料理を気に入っていた藤原にいち日は辛辣な言葉を投げかけられる。
そんな状況を打開する為、周は料亭に興味を持ってくれそうな客を招いた試食会兼新料理長のお披露目会を提案する。
その招待客の中には伯母町子の怒りを買う事の原因となった新聞記者の藤田の名前もあった。
伯母の事、そして以前あった嫌がらせの事を考え、藤田を呼ぶ事に難色を示したいち日に、周はこのままではまた山口家に金を借りる事になると彼女を説得する。
山口家の狙いは桑乃木の乗っ取り、借金を重ねる事は彼らの思惑に乗る事と同義だ。
その流れを変える為、いち日は周を信じ、藤田を呼んでお披露目会を行う事を了承するのだった。
感想
今回は出張しての月見会の料理から始まり、客を招待しての試食会兼お披露目会、そして伯母が連れて来た養子みちやとの出会い等が描かれました。
関節的にしか知りませんが、戦後の復興期、親を戦争で亡くした子供は多く、そんな子は親戚の家に厄介になったり、子供のいない家庭に養子として引き取らたりする事は珍しくなかった様です。
今回登場したみちやもそんな子供の一人。
政略結婚のいち日と周にみちやの存在がどのような影響を及ぼすのか。
また、桑乃木の乗っ取りを画策していた山口家の対応は。
何となくいち日が気になり始めている様子の周の事も含め、次も読むのが楽しみです。
まとめ
芸妓の市賀がいち日の料理を気に入った事で、桑乃木の客足も伸びて来ました。
そんな中、周が大阪の実家に呼ばれる事になり……。
次巻の展開も楽しみです。
こちらの作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
作者の磯谷友紀さんのTwitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。