ながたんと青と ―いちかの料理帖― 2 KC KISS
著:磯谷友紀
出版社:講談社
傾いた老舗料亭「桑乃木(くわのき)」の立て直しを始めた入り婿の周(あまね)。
顧客名簿を作り父が作って来た「桑乃木」を変えていく周に、妻であるいち日は反発を覚えながらも店の為、そして元来、料理好きである事も手伝い彼と協力し事に当たって行く事になるのだが……。
登場人物
村山(むらやま)
多分、親戚のおじさん
丸眼鏡で禿げ頭の老人。
経営難の桑乃木を色々助けてくれる。
山口縁(やまぐち ゆかり)
周の兄
丸眼鏡の男性。
彼も父親と同じく口が悪い。
料亭「桑乃木」を潰し、跡地にホテルを建てたいみたい。
田嶋(たじま)
いち日が働くホテルのシェフ
いち日にとっては西洋料理の師匠的存在。
いち日の料理のセンスを認めている。
あらすじ
GHQの接待の成功で外国人の客も増え、少し持ち直した料亭「桑乃木」。
そんな折、GHQの女性士官モーガンの紹介で40名の予約を受ける事になった。
その事を料理長の戸川に話すと、戸川は辞めると言い出した。
彼はアメリカ人相手に料理を出す事も、若い周(あまね)が店を仕切る事も気に入らない様子だった。
聞けば新たに出来た料亭「花房(はなふさ)」へ移る事も既に決まっているらしい。
「沈んでいく船と心中するんは、真っ平ごめんですわ」
そんな戸川の言葉が許せなかったいち日は、あなたは必要無いと戸川の退職を認めてしまう。
怒りに任せ言った言葉に後悔は無かったが、現実問題として戸川が辞めれば彼が連れて来た料理人も全ていなくなってしまう。
いち日は日ごろから世話になっている村山の伝手を頼り、料理人を探す事から始めるのだった。
感想
今回は料理長の戸川の退職から始まり、その事が原因でいち日が桑乃木の厨房に入る事になりました。
現代でも和食の料理人は男性のイメージが強い様に思います。
まして昭和、戦後間もない京都の老舗料亭ともなれば女性料理人の存在はかなりセンセーショナルな話題だったのではないでしょうか。
この巻ではいち日の事が新聞に取り上げられた事で、直接的な描写は無かったですが誹謗中傷等もあった様です。
ただ、料理を作っているいち日は本当に一生懸命で楽しそうで……。
彼女のそんな姿を見れば、安易に誹謗中傷なんか出来ないと思うんですがねぇ。
まとめ
いち日は店の為、周は自分を道具としてしか見ない実家から離れる為、お互い愛では無く、利害の為に夫婦となった二人。
二人の関係が今後どう変わっていくのか、そちらも楽しみです。
こちらの作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
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