違国日記 8 フィールコミックス
著:ヤマシタトモコ
出版社:祥伝社
軽音楽部の勧誘で学校のコンコースで歌を披露した朝(あさ)。
その動画を叔母の槙生(まきお)が持っていた事で、彼女が友人のえみりとラインのやり取りをしている事を朝は知る。
えみりは自分の親友で、その親友と親代わりの槙生がラインで交流している。
その事で朝はなんだかモヤッとしてしまうのだった。
登場人物
しょうこ
えみりの恋人
ショートボブの女の子。
えみりと同じ塾に通っている。
彼女の両親は彼女がレズビアンである事を受け入れているようだ。
あらすじ
槙生とえみりがラインしている事を知った後日、昼休み、朝は話題としてその事をえみりに振ってみた。
何の話すんの?
そう聞いた朝に言葉を濁しつつえみりは答えを返す。
会話を続ける内、軽音部の後輩が話していた朝の両親の事になり、朝は会話における地雷の事を口にした。
「じゃ 女の子が好きなの?」
ずっと秘密にしている事。
えみりは現在、同じ塾に通うしょうこと付き合っている。
しょうこは親にもレズビアンである事を打ち明けているが、えみりは親にも親友の朝にもその事を打ち明けてはいなかった。
だがその日、えみりは付き合っている女の子がいると朝に告げた。
大好きな人が出来た事、自分が男の子を好きになれない事、自分が自分でいたい事をえみりは顔を覆いながら応援すると言った朝に話した。
彼女の告白を聞きいた朝は自分が無神経にえみりを傷付けていた事に気付いた。
感想
今回はえみりの告白から始まり、朝の父親探偵、軽音部の作詞等が収録されました。
その中でも印象に残ったのはえみりの告白と朝が作詞した中の「エコー」についてでした。
えみりの事について、社会は性的マイノリティについて少しずつ理解を示しているような気がします。
しかし、やはりまだ、男だからこう、女だからこうあるべきといった認識もある様に思います。
ですがその事で人が傷つき、窮屈に生きていくのはやはり間違っている気がします。
LGBTQのような存在がいる事は事実で、彼ら、彼女らも人として同じ社会の中で生きています。
性的な事だけでなく、マイノリティをおかしいと切り捨てる社会では無く、個性として当たり前に認める、そんな社会になればいいなと思います。
もう一つ、エコーの話。
作中、朝は歌詞の中のワンフレーズ「エコー」という言葉から、色んな人と話し関連する言葉を思い浮かべます。
響き、影響、反響。
人は誰かに影響を与え、その誰かも誰かに響きを伝える。
互いに共鳴しながら生きている。
エピソードを読んでそんな事を思いました。
まとめ
いつかこのブログで書いた記憶があるのですが、人をカテゴリーで見る事に無意味さを感じます。
男、女、人種、国籍、職業等、様々な区分けがあっても、人として付き合いたいかそうでないかは、結局その人、個人の中身による気がします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こちらの作品はpixivコミックにて一部無料でお読みいただけます。
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