小説長編

ラピスの心臓 3.深紅の狂鬼 登場人物・あらすじ・感想

投稿日:2021年10月7日 更新日:

雪の森
ラピスの心臓 3.深紅の狂鬼
著:羽二重銀太郎
画:一式箱
出版社: KADOKAWA/エンターブレイン

濁石を持った隻眼の青年シュオウの活躍を描く物語、第三巻。
隣国アベンチュリンの女王の手から仲間を救う為、彼女の横暴な要求に応えたシュオウだったが、女王は彼の行為を踏みにじった。
その事に怒りを覚えたシュオウは謁見の間にいた輝士四人を一方的に蹂躙。

女王の弟である、シュウ王子を人質にして、王女から仲間を取り戻す事に成功するのだった。

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登場人物、設定等

人が左手に石を宿し生まれて来る世界。
輝石は人に超常の力を与えるが、濁石と呼ばれる石は何の力も持たない。

シュオウ
何の力も持たない濁石を持つ灰髪の青年
顔の右側に傷を負っており大きな眼帯でそれを隠している。
時間が止まった様に感じる程の動体視力の持ち主。
その目の力と狂鬼の世界、深界で生きる女アマネに叩き込まれた技術で強力な力を持つ騎士や狂鬼を打倒していく。

アミュ・アデュレリア
ムラクモ王国の公爵家の一つアデュレリアの当主
氷を自在に操る氷長石の主
その力の強さから百歳を超えた今も幼い少女のまま。
シュオウを気に入り彼を庇護する。

サーサリア・ムラクモ
ムラクモ王国の王女
王の血は彼女以外残されてはいない。
リュケインの花という麻薬の中毒者。

ジェダ・サーペンティア
ムラクモの公爵家の一つサーペンティア家の末子
風を操る輝石の持ち主。
その残虐な手口で敵味方問わず忌恐れられている。
王女サーサリアの動向を探る為、アデュレリア領へ向かう。

カナリア・フェース
ムラクモ王家親衛隊隊長
アデュレリア領へ遊学したサーサリアを守る為、彼女の遊学に同行した。
若いが真面目で優秀な女輝士。

ユウヒナ・アデュレリア
アミュの副官、カザヒナ・アデュレリアの妹
サーサリアの遊学中のお目付け役として彼女の側に仕える。

グエン・ブラドウ
ムラクモ王国軍元帥
サーサリアが王座についていない為、現状でムラクモの実質的な支配者。
年齢不詳。
ムラクモに含む所があるようだ。

あらすじ

属国アベンチュリンの王女、フェイから仲間を奪還したシュオウ。
彼は現在、客人としてアデリュリアの城に滞在していた。
一介の従士に過ぎない自分が、輝石を持つ貴族と変わらない待遇を受ける事に居心地の悪さを感じながらシュオウは日々を過ごしていた。

そんなアデリュリアの城に遊学の名目でムラクモ王国の王女サーサリアがやって来る。
重度の麻薬中毒者であったサーサリアは、アデリュリア領では禁止されているリュケインの花を求め、アデリュリア当主アミュの目を盗み、ジェダから耳打ちされたリュケインの花が生えている山中へと親衛隊を伴い向かう。

その山には通常、深界に住んでいる筈の狂鬼アカバチが飛来していた。
アカバチは花を求め動いていたサーサリア一行を襲撃。
サーサリアの乗っていた馬車は崖から転落。
隊長のカナリアも馬車と共に奈落へ消えた。
親衛隊もアカバチの攻撃で多くの死傷者が出ていた。

そんな中、サーサリアの行動を知り、同行していたシュオウはアカバチに襲われたユウヒナを助けた事で、馬車やカナリアと同じく崖下へと転落してしまうのだった。

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感想

三巻ではジャンキーなお姫様、サーサリアを守る為、シュオウは雪の残る山中の洞窟で我儘な王女と時を過ごす事になります。

まるで王女に媚びる事の無く淡々と生き延びる為の選択をするシュオウの行動は、やがて王女の心をとらえていき……。

英雄シュオウの物語はこの後も滅茶苦茶面白いのですが、書籍としては三巻で終了みたいです。
出来れば、ジェダ、シガの活躍、個人的に好きなプラチナのイラスト等も見てみたかったです。

まとめ

面白くても売れなければ続かないのかなぁ。
すっごいカッコ良くて、すっごい面白いのに……。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはPixabayのRobert Cによる画像です。
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