ゴブリンスレイヤー 15
著:蝸牛くも
画:神無月登
出版社: SBクリエイティブ GA文庫
ゴブリン退治しかしない変わった冒険者、ゴブリンスレイヤーの物語、第十五弾。
今回は姫を探しに来たという馬人(ケンタウロス)の少女の依頼で、ゴブリンスレイヤーたちは水の街へと向かいます。
ゴブリンスレイヤーは、いつも通りゴブリン退治をします。
冒頭部分 あらすじ
ギルドの酒場、馬人の女給と話していた重戦士は「姉上から離れろ」と突然馬人の少女に斬りかかられる。
鼻息の荒い少女を宥め、その場をなんとか治めてギルドの一室で話を聞けば、彼女の部族の姫が大剣を背負った冒険者に誘われ草原を出た後、行方が分からなくなったという。
大剣を背負った冒険者など掃いて捨てる程いる。
黒い剣士、そう呼ばれた伝説の剣士に憧れ、その跡を追った者は数知れない。
かくいう重戦士もその一人だ。
馬人の娘、馬玲姫(バートル)の言葉に呆れつつも、重戦士はゴブリンスレイヤーに話を振った。
彼らの一党は人探し等の都市探索(シティーアドベンチャー)は得意ではない。
重戦士に借りのあったゴブリンスレイヤーは、仕事を引き受ける事にしたのだが、その事で浮かんだ疑問を投げかける。
「何故俺なのだ?」
「腕っこきの斥候(スカウト)は他にいないからな」
「…………俺は戦士のつもりでいるのだが」
その言葉を聞いた妖精弓手はたまりかねて噴き出した。
感想
草原からやって来たケンタウロスの少女、今回は彼女の願いである部族の姫の救出をゴブリンスレイヤー達は引き受けます。
物語当初、ゴブリン退治しか請け負っていなかったゴブリンスレイヤー。
彼も妖精弓手等の影響で少しづつ変わり、彼自身その事を戸惑いながらも感じているようでした。
また今回の馬玲姫たち、ケンタウロスについては彼女の暮らす集落の様子が直接描かれた訳ではありませんが、モンゴルで暮らす遊牧民が思い浮かびました。
羊を引き連れ草原を移動しながらゲルで暮らす人々。
馬玲姫たちもそんな暮らしをしているのだろうな。
そんな事を読んでいて想像しました。
まとめ
作中、馬人の少女達によるレースの様子も描かれました。
アレはやっぱり今、人気のアレへのオマージュなのかな。
あと、黒い剣士のくだり、触れられたのはほんの少しでしたが読んでいて泣きそうになりました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。