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海が走るエンドロール 1

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海が走るエンドロール 1 ボニータ・コミックス

著:たらちねジョン
出版社:秋田書店

夫と死別し独り身となった女性、茅野うみ子(ちの うみこ)。
彼女は出掛けた先で出会った押しの強い知り合いから逃れる方便で、マッドマックス的な映画を見る事になる。

その劇場でうみ子は美大で映像専攻の青年、海(かい)と出会う。
その出会いが彼女を映画の世界へと導いていく。

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登場人物

茅野うみ子(ちの うみこ)
夫を亡くした白髪の老婦人(65)
映画館で出会った青年、海の言葉で映像制作に心を沸き立たせる。

ウツミ海(うつみ かい)
美大の映像専攻の学生
ショートボブの美青年
うみ子の印象では懐かない猫。
映画館で客の表情を見ていたうみ子を見て、彼女が作る側の人間だと言い放つ。

うみ子の夫
黒髪で温厚そうな男性(故人)
生前は映画が好きで良く見ていたようだ。

うみ子の娘
独立し結婚、一児の母
夫を亡くしたうみ子に好きな事をすればいいと背中を押す。
BL作家らしい。

山口(やまぐち)
海の後輩でうみ子の同級生
緑髪ショートの女性。
海の事が気になる様だ。

佑介(ゆうすけ)
海の高校時代の映画仲間
黒髪黒子の青年。
家庭の事情で進学をあきらめた。

あらすじ

映画館で出会った青年、海。
彼は客席を観ていたうみ子にその事を話し、自分もたまに観たくなると同意を示した。

映像専攻の学生だという彼(この時点でうみ子は彼女だと思っていた)にシンパシーを感じたうみ子は、立ち去ろうする彼を壊れたビデオデッキの事を持ち出し直せないかと思わず引き止める。

直せない、そう言った海にとっても困っててと体を縮める。
その弱った様子を見かねたのか、海は見るだけ見ましょうかとうみ子の家に来てくれた。

その後、知恵袋の投稿を頼りに海はデッキを直し、うみ子は見たかった老人と海を見始めた。
そして観た事が無いらしい海も一緒に映画を観る事となる。

亡き夫と同じ場所に座り、映画を観る海の後ろ姿を見てうみ子は改めて夫はもういないのだと涙を流した。

映画を見終わり帰る段となり、そこでお互い名前を言い合い、ようやくうみ子は海が男だと気が付いた。
そんなうみ子に、海は映画を作りたい(こっち)側なんじゃないの?と問い掛ける。

どんな面白い映画を観ても客席が気になるの、自分が作った映画がこんなふうに観られたらって考えちゃってさ、ゾクゾクするからなんじゃないの?

海の言葉はまるで波打ち際の波が船を攫う様に、彼女の心を向こう側へと押し出した。

感想

何かを始める時に年齢を理由に諦める事は、年を重ねるにつれて多くなる様に思います。
この作品はそんな風に言い訳をしていた老婦人がマイペースな美青年と出会い本当にやりたい事に気付く所から始まります。

一巻の終盤、作る人と作らない人の境界線についてうみ子は海に問い掛けます。
海は元々興味がないとか、環境とか、作りたくても作れない人も多分たくさんいるしと言葉を濁しつつ答えました。

そんな海にうみ子は船を出すかどうかだと思うと返しました。

映像に限らず、創作は確かにその通りだと読んでいて感じました。
一歩踏み出すかどうか。頭の中にあるモノを形にする事。

ゾクゾクした、そう言って笑ったうみ子はとても素敵でした。

まとめ

今回のラスト、うみ子は海をモチーフに映画を撮る事を決めた様でした。
彼女の作品がどんな物になるのか、物語がどう進んでいくのか、とても楽しみです。

作者のたらちねジョンさんのTwitterはこちら
この作品は秋田書店オフィシャルサイトにて第一話が無料でお読み頂けます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはPixabayのMatvevnaによる画像です。
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