地図にない場所 2 ビッグコミック
著:安藤ゆき
出版社:小学館
進学校に入り中学一年で終わったと落ち込む少年土屋悠人(つちや ゆうと)。
母の死により、ずっと続けてきたバレエから解放されたバレリーナの宮本琥珀(みやもと こはく)。
バレエ以外、何も知らない琥珀の世話を焼くうち、ユートは彼女と共に地図にない場所「イズコ」を探す事となり……。
登場人物
土屋翔真(つちや しょうま)
悠人の弟
天然美少年。
成島響(なるしま ひびき)
悠人の中学の同級生
天パでそばかすの少年。
両親の影響で民族楽器コンサートに出演している。
あらすじ
図書館で出会った小学校時代の友人、すずはバレエを習っていた事もあり、フランスのバレエ団でトップだったコハクの大ファンだった。
そんな訳ですずもコハクと悠人が探している「イズコ」について情報を送ってくれる事となる。
コハクを取られた様に感じたユートは「イズコ」探しにすずが参加した事に複雑な思いを抱いた。
図書館からの帰り道、コハクと話しながらユートは思う。
「イズコ」探しが終わりコハクがいなくなったら、自分はまた家と学校だけになる。
学校では居場所がなく独りぼっちだ。
先の事なんてわからない、けど。
寂しさのこみ上げたユートはコハクにバレエに未練があるのか尋ねた。
図書館でコハクはバレエの雑誌を読んでいた。
彼女はバレエに未練があり、いつかバレエの世界に戻ってしまうのでは。そんな風にその時のユートには感じられたのだ。
しかし、彼女は全然無いよと返した。
未練がある方があーゆー雑誌は読めないよ。
読めない……?
未練とか、複雑な気持ちがあると、心がかき乱されるでしょ。
だから、未練のあるものには、簡単に触れないよ、きっと。
道端にいたネコを撫でながら、コハクはユートにそう答えた。
未練があるから触れない、かき乱される?
中学生のユートには琥珀の言っている事が理解は出来なかったが、なんか大人な感情?だな。と思いつつ、バレエのプロで大人であるコハクの一面を感じ、頼もしさと共に友人が遠い人になってしまったような寂しさも感じるのだった。
感想
今回は一巻から引き続き悠人とコハクは「イズコ」探しを続けつつ、民族音楽コンサートなど、イベントにも出向きました。
その過程で、ユートは終わった人と思っていたコハクが自分とは違い、バレエのトップで凄い人なのだと改めて気付きます。
何も無い自分と、凄い物を持っているコハク。
同じ位置にいると思ってた人が、実は遠い存在だった。
彼女は自分と違い、いつでもそこから出ていける。
今回、ユートはそんな風に感じたのではないでしょうか。
進学校に通った事で勉強が出来る出来ないが全ての基準になっているユート。
そんな彼に、コハクは勉強について行けないのはスランプだと思えばいいと自身の経験を話しながら言います。
全ての事柄は無駄では無く、もし頑張って駄目でも別の事の事をすればいい。
ユートは絶対ダメじゃない。
そのコハクの言葉で、自分をダメだと思っていたユートは救われたのだと読んでいて感じました。
まとめ
この巻のラスト、母親にユートがコハクと親しくしている事を知られます。
その事が二人の関係にどんな影響を及ぼすのか、次巻も楽しみです。
この作品はビッグコミックBROS.NETにて第一話が無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。