太陽と月の鋼 3 ビッグコミック
著:松浦だるま
出版社:小学館
金属に触れない侍、竜土鋼之助(りゅうど こうのすけ)。
その鋼之助の妻、月を攫った陰陽師、夜刀川瞠介(やつがわ どうすけ)の狙いは大妖、玉藻の前(金毛白面九尾の狐)の残した殺生石の封印を月に解いてもらう事だった。
彼は月に事が終われば鋼之助の下へ返すと言いつつ、その裏で土御門家江戸役所の触頭(ふれがしら)藪兵庫(やぶの ひょうご)に鋼之助の始末を頼んでおり……。
登場人物
斑(まだら)
虫を自在に操る力を持つ女
ザンバラ髪であばた顔の女性。
虫に好かれ常にまとわりつかれている為、幼い頃から虐待を受け育った。
陰陽師を統べる土御門家の当主、土御門晴雄(つちみかど はれたけ)に力を認められ、彼の配下となる。
土御門晴雄(つちみかど はれたけ)
土御門家当主
安倍晴明の子孫だと囁かれている青年。
土御門家は全国の陰陽師の他、卜占(うらない)呪術(まじない)を取りまとめ、免許状を授け支配している宗家。
裏では通力使いの殆どを支配している。
あらすじ
兵庫の命で江戸の街にいた萬歳(まんざい:新年の祝言を稼業とする者、漫才の語源とも言われる)や山伏、巫女などが鋼之助の家を襲撃する。
月に母を救われたという巫女の少女、明(あき)と共に何とかその襲撃を撃退した鋼之助。
明はその襲撃が襲撃者の様な通力を持つ者を支配する土御門家の仕業であると気付き、急ぎ江戸を出る様、鋼之助に忠告する。
その忠告を受けて、鋼之助は明と共に、彼女が視た月のいる地、奥州を目指し家を立つ。
周囲にいる卜占や陰陽師の姿を避け、いつしか彼らは人気のない小塚原の処刑場へと辿り着いた。
その生首が置かれた処刑場には、虫に集られた女が一人、鋼之助達を待っていた。
感想
今回は冒頭、土御門による鋼之助襲撃から始まり、土御門家当主、晴雄に心酔する虫使い、斑との戦いの様子が描かれました。
通力(つうりき)と呼ばれる超常の力を使う者達。
それを纏める土御門家。
しかし、その支配も絶対では無く、以前、月と鋼之助が助けた卜竹(ぼくたけ)や斬念(ざんねん)等、土御門家の支配下にありながら鋼之助を助ける者もいる様です。
その一方で晴雄に忠誠を誓う斑の様な者もおり、今後も厳しい戦いが予想されます。
また、今回は鋼之助が一巻のラストで見せた力の片鱗、その能力が月が最終的に殺されると聞いた事で覚醒しました。
恐らく鉱物を自在に操れるその力を使い、鋼之助は月を取り戻す事が出来るのか、明が視た鋼之助の未来は……先が超、気になります。
まとめ
卜竹の手引きで大川(隅田川)から江戸を出る事になった鋼之助と明。
この先、どんな刺客が彼らを待ち受けるのか、夜刀川達は殺生石の封印を解き何を狙っているのか、次巻も楽しみです。
この作品は、pixivコミックにて一部無料でお読みいただけます。
松浦だるまさんのTwitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。