自転車屋さんの高橋くん 4 torch comics
著:松虫あられ
出版社:リイド社
課長の朋子(ともこ)に対するセクハラを目撃してしまい、思わず課長に暴力を振るってしまった遼平。
その事で少し距離の離れた二人だったが、朋子は職場で課長の自分に対する陰口を聞いてしまい、本当に大事な人は誰なのかに気付く。
その後、仕事を辞めた朋子は仲直りした遼平とようやく結ばれる事となり……。
登場人物紹介
アズ
遼平の元カノ
黒髪ロングの美人。
現在は結婚し一児の母となっている。
河村佐由利(かわむら さゆり)
テルのオタク友達、朋子の元同僚
ロングヘアーの可愛い系女子。
特撮好き。
自分を決めつけず否定しないテルに好感を抱いている。
清子(せいこ)
遼平が東京で出会った老婦人
上品な雰囲気の女性。
朋子の元同僚、山本の祖母。
あらすじ
ようやく遼平と結ばれた朋子。
しかし、一線を超えた二人だったが、その後も遼平は朋子と体は重ねるものの、彼女の部屋に泊まって行く事は無かった。
お互い口下手な二人はそんな所から少しずつすれ違い始め、それは遼平の友人、マサやんの家族と出かけた山で偶然出会った遼平の友人の言葉で溢れる事となった。
「まだ遼平、ヤリチンなん?」
冗談交じりに言った友人の言葉で朋子の気持ちは寂しく沈む。
自分の知らない遼平の顔。
彼には彼の人生があるだけの話なのに……。
そう思いながらも朋子は、家まで送ってくれた遼平に昔の事、自分の事を話してくれない事で憤りをぶつけてしまうのだった。
感想
この巻では未来の事を考え始めた二人の、すれ違いの様子が描かれました。
遼平は家族である祖父の事、そして朋子の母の事を考え、朋子は良平との未来、結婚の事等を考えた様でした。
二人の行き違いの原因、それはやはり言葉の足りなさにある様に読んでいて感じました。
どんなに近くにいて想い合っていても、言葉に出して伝えないと本当の気持ちは伝わらないなぁと今回読んでいて思いました。
あと、山本の事についても考えさせられました。
今回、山本は男性が好きであると母親に告白しました。
それに対して母親は治るからと病院を受診させようとします。
生物が異性を求めるのは繁殖する為であり、その点から見れば同性愛者は生物的におかしいという事になるのでしょう。
しかし、そう生まれ付いたのは誰の責任でもない様に思います。
たとえマイノリティであっても、それを個性だと受け止め認める社会。
そんな風になって欲しいとエピソードを読んでいて思いました。
まとめ
今回のラスト、朋子は新しい家族と暮らす父親の下へ赴きました。
朋子と父親、そして父の家族との関係性は、遼平と朋子の間のすれ違いは解消されるのか、次も楽しみです。
こちらの作品はトーチwebにて一部無料で閲覧いただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。