ヴィンランド・サガ9 アフタヌーンKC
作:幸村誠
出版社:講談社
11世紀のヴァイキングをモチーフに描かれる物語。
イングランドで農民として暮らしていたエイナルは、捕らえられ奴隷となります。
デンマークの豪農ケティルに買われたエイナルは、そこで物静かな青年トルフィンと出会いました。
林の木々を伐採し、土地を開墾する仕事を任されたエイナルは、働いて自分を買い戻せば、自由になれると聞き張り切ります。
冒頭部分 あらすじ
広大な農場を経営するケティルの下で、奴隷として働くトルフィンとエイナル。
二人はケティルの息子、オルマルが畑仕事を嫌い、剣で身を立てると宣言し、馬で走りさる現場を目撃する。
その夜エイナルはトルフィンに、彼の村が二度にわたり、戦士に蹂躙された事を話し、戦士への憤りを口にする。
一方オルマルは自身が、ケティルの息子としてしか見られない事に苛立ち、農場の用心棒であるキツネたち誘われ、彼らの根城である砦へ向かう。
エイナルが一人前と認められるためには、人を殺せばいいとキツネは言い、殺してもいい人間、奴隷をその対象に選ぶ。
翌朝、トルフィン達の小屋に現れたキツネたちに連れられ、トルフィンとエイナルは砦に向かった。
そこで引きつった表情で剣を持つ、オルマルと対面する。
オルマルをけしかけるキツネたちに抗議し、エイナルはトルフィンを逃がすため、オルマルにとびかかる。
二人の様子を冷ややかに見ながら、トルフィンは自分が斬られると口にした。
感想
今までアシェラッドを殺すことだけを目的に生きてきたトルフィンは、彼を失い奴隷に落とされ、自分の命さえどうでもよく、無気力に生きています。
しかし、エイナルと出会い、空虚だった彼の生活は少しずつ変わり始めます。
一方クヌートは、謀略と軍事力でイングランド王として、イギリスを支配、アイルランド、ウェールズを除いた地域を掌握します。
今巻では奴隷としての厳しい生活が描かれます。
そんな中でも、日常の僅かな事で一喜一憂する、エイナルの存在がトルフィンの心に与えた影響は大きいと感じました。
まとめ
用心棒のボス、蛇の剣に思わず反応してしまったトルフィンは、自分は生きたがっているのかと気付き始めます。
エイナルとの会話や、アルネイズ、蛇、ケティルの父スヴェルケルとの出会い等、トルフィンに大きな変化をもたらす、出来事や人々との出会いが描かれた巻でした。
お読みいただき、ありがとうございました。
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