あやかしメルヒェン 2 アフタヌーンKC
作:白乃雪
出版社:講談社
怪しいモノを寄せ付けてしまう絵本作家志望の青年コテツ。
そんな彼に憑いてドイツへとやって来た座敷童の花緒(はなお)。
彼女はコテツの暮らすシェアハウスに憑りついていた森のコボルトのラッツェル、屋根裏に隠れ住むルーマニアの吸血鬼ストリゴイのアンドレイ達と共に、コテツの暮らしを見守って行く。
登場人物
ザントマン
袋を担ぎ夜更かしする者の目に砂をかけ、眠りに誘うあやかし。
昔は寝ない子供の目玉を抉るという恐ろしいモノだったが、近年はテレビ番組の影響で可愛らしい姿になってしまった。
レニ
シェアハウスに住むドイツ人女性
祖母が薬草魔女であり、その血を引く彼女も花緒達あやかしを見る力を持つが、面倒を嫌いずっといないものとして振舞って来た。
シェアハウスの大家は彼女の大叔父にあたる。
薬草魔女を継ぐつもりはないが、ある程度、術は使える。
ニクセ
水辺に住む水の精
魚人の様な姿で人を水に引き込み溺れさせる。
ヒルデ
昔、シェアハウスが現在の形になる前、住んでいた少女
レニの祖父の姉弟にあたる。
彼らはユダヤ系であったため、戦争が始まる直前、ドイツを離れた。
フェルト湖(ゼー)の悪霊
湖の底に封じられた霊の集合体
封印されていたが、住処を奪われシェアハウスの住民を追い出したがっているラッツェルに、住民を追い出してやると持ち掛け自由を得る。
黒く濁った水のような姿。
狼男
黒い森の番人
完全な獣の姿と髯の老人の姿を持つ。
森に興味を持ったコテツを試した。
あらすじ
妖怪や妖精などが大好きなのに、相変わらず全く彼らの事が見えないコテツ。
そんなコテツをずっと守って来た花緒。
しかし、コテツの興味はこの国のあやかし。
コボルトのラッツェルや一度出会ったストリゴイのアンドレイへと向かい、彼は絵本の題材として二人の姿(ラッツェルは想像、アンドレイは一度見た姿)を描く。
それを見てしまった花緒はコテツをずっと守って来たのは自分なのにと、悲しみのあまり大泣きしてしまう。
彼女の涙は風を巻き起こし、コテツの部屋の窓ガラスを破壊してしまった。
思わず部屋から逃げ出したコテツにシェアハウスの同居人、レニがすんげー風だねとビール片手に話しかける。
コテツはレニに窓ガラスが割れた事を告げるも、戻った部屋の窓ガラスは何の異常も無かった。
その後、レニはコテツが書いていた絵に興味を示し、その絵を手にコテツの話を聞きながら窓の外にいた花緒達に視線を向けた。
感想
勝ち気で優しい座敷童、花緒(はなお:ハンナ)と内気で優しい青年、コテツ。
二人のドイツでの暮らしもこの巻で完結。
この二巻は電子書籍のみの販売でしたが、内容的には二百三十ページを超えるボリュームで非常に読み応えがありました。
本音を言えば紙の本が欲しかったし、もっと長く続いてドイツの妖精等の逸話を沢山読んでみたかったのですが……。
作者、白乃雪さんの次回作を待ちたいと思います。
まとめ
私は紙派なので電子書籍で販売されると、新刊を見落としてしまうのが一番のネックです。
まぁ、買い忘れても手に入れるのは容易なのですが……。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読み頂けます。
作者の白乃雪さんのTwitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。