Driving Doctor(ドライビングドクター) 黒咲 4 ニチブンコミックス
原作:神尾龍
作画:ユウダイ
医療監修:福本祐一
出版社:日本文芸社
事故から復帰した看護師の舞に復帰早々出動が掛かる。
患者は高速道路で事故を起こしたドライバー。
現場では左側面をフェンスに擦り付ける形で止まっている車の中、一人の男性が茫然自失の状態で座っていた。
特に外傷は見られないその男性は、酷く怯えた様子でDD狩りが出たと口にした。
登場人物
川崎(かわさき)
白バイ隊員
黒咲の知己。
歯に衣を着せない発言が多いが黒咲の事は認めている。
黒咲の妻の死に繋がった呷り運転をした運転手を捕らえた。
平岡(ひらおか)
医学部長安斎の運転手
定年退職を控えた男性。
右手に違和感を感じている。
坂上敏江(さかがみ としえ)
舞のオペ看への移動に伴い救急へと移動した看護師
看護師として十年の経験はあるが救急は初めて。
列車事故の現場に対応出来ずプレッシャーに押しつぶされた。
8番
サポートセンターの菜緒子に付き合い舞が出掛けた婚活パーティーで出会った男性
太っちょ。会場で心肺停止に陥り倒れた。
あらすじ
男性が呟いたDD狩り。
それは黒咲が妻を失う切っ掛けとなった呷り運転を行う運転手。
デス・ドライバーもしくはダーティー・ドライバーと呼ばれる無謀運転を繰り返す者達を狙う者の事だった。
DD狩りはネットでは正義の味方として賞賛する者、または反発し挑発する者に分かれ話題になっているらしい。
しかし、救命救急センターの面々は真似する者が出て事故が増えると迷惑だという方向で意見は一致していた。
そんな中、センターに連絡が入る。
今回も高速道路での事故、現場に駆け付けた黒崎はシートとフロント部分に挟まれた男性に気管挿管を行おうとするが、その手がピタリと止まる。
現場にいた白バイ隊員の川崎が早くしろと声を上げる中、黒咲は救急隊の隊長、日野に気管挿管を任せるのだった。
感想
今回は冒頭、DD狩りのエピソードの続きから始まり、舞の移動、安斎の事故と白河の思い等が描かれました。
今回はその中でもDD狩りのエピソードが印象に残りました。
DD狩り、無謀運転を行う悪質なドライバーに制裁を与えていた人物、それは黒咲と同じく呷り運転によって妻を亡くした男でした。
作中、黒咲はDD狩りによって事故を起こしたドライバーを救う事に躊躇します。
DD狩りの標的となっているのは黒咲の妻を死に追いやった者と同じ、無謀運転、呷り運転を繰り返す悪質なドライバーです。
そんな者を救うのは人間の感情的にとても抵抗があるでしょう。
そんな黒咲に白バイ隊員の川崎はプロとしての仕事をしろと言い放ちます。
プロとしての仕事。
医者の仕事は救う事で裁く事ではない。
呷り運転を行った者は川崎達、警察が捕え検察が起訴し裁かれる。
それぞれの者にそれぞれの役割がある。
川崎の言葉を読んでいてそんな事を思いました。
まとめ
原作者の神尾さんが体調を崩された為、この作品はこの巻で第一部完結という事になりました。
神尾さんは悪性腫瘍、いわゆるがんとの事ですが、手術は成功し現在は療養中との事。
作品は一旦完結しましたが、個人的にはもっと色んなエピソードを読みたいので、神尾さんの一日も早い復帰、そして第二部の開始を願いたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こちらの作品は日本文芸社の公式サイトから第一話が無料で閲覧いただけます。
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