小説長編

虚実医霊 ―除霊整体師 禁忌のカルテ―

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窓に映る影
虚実医霊 ―除霊整体師 禁忌のカルテ―

著:千国礼拓
出版社:講談社

カイロプラクティックを学び、いくつかの接骨院での修行を終えた主人公”私”が開いた接骨院。
そこに客として来たシングルマザーのSさん。
彼女を治療した事で”私”は霊との関りを持ってしまい……。

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登場人物


カイロプラクティックを学んだ整体師
シングルマザーSさんを治療した事で、彼女が背負っていた霊を押し付けられ霊障に悩む事となる。

劉(りゅう)
中国人整体師
霊障に悩む私が藁にも縋る思いで助けを求めた人物。
気功を用い、体のゆがみと共に霊を患者から引き剥がす除霊整体を行う。
自分と同じく霊障で苦しむ人が救えるならと”私”は劉の弟子となる。

E
彼氏のモトカノの霊に憑りつかれたと除霊整体を学んだ”私”の下へとやって来た女性。

R
Eさんの彼氏
思い込みの激しいEさんの「除霊整体の先生が、カレシが浮気してるって教えてくれた」という言葉で憤り、”私”の院を訪れる。

Y
Rくんの姉
足の冷え性が酷いらしい。

スモック(検査衣)を着た血塗れの女
怪談を聞いた者の下に現れる霊
“私”は当初、典型的な都市伝説だと考えていたのだが……。

モトカノ
バイク事故で亡くなったR君のモトカノ

A
“私”が開業まえ勤めていた整骨院の患者の孫
呼吸器系に持病を持つ少女
出会った時は小学校に入学したばかり。

冒頭あらすじ

専門学校でカイロプラクティックを学び、いくつかの接骨院で実務を経験した”私”。
彼は東京と埼玉の県境に近いマンションの一室に自分の院を構えた。

彼の院は最寄り駅から徒歩数分、周囲に公営住宅が建つ立地に恵まれお客さんもそこそこついていた。

そんな彼の店にある日、Sさんというシングルマザーの女性が訪れる。
腰の具合が悪いという彼女の施術中、”私”は小さな子供が駆け回る音を聞く。

上の階の住人だろうか……。

そんな事を思いつつ施術を進め、治療を終えた”私”にSさんは「あの子のこと、よろしくね」と帰り際に言い残し院を去った。

その日の夜から、”私”は幼い子供らしき霊に悩まされる事となる。

感想

物語は主人公の整体師”私”が遭遇、体験した出来事を綴る形で展開していきます。
冒頭、子供の霊に憑りつかれた”私”は中国人整体師の劉に助けを求め、彼の行った気功による除霊整体に救われます。

その後、劉の弟子となり独立した”私”は体験した怪談奇談を話して貰えれば初診料は要らないという条件で仕事を始めるのですが……。

作品はそれぞれ患者さんの話を聞き、治療を行う、短編の連続なのですが、患者さん同士の繋がりや”私”が怪談奇談を聞くうち、どんどんと悪いモノを集めてしまう感じになり、読み進める程に”私”が狂っていく様子が描かれていました。

どの話も不気味で怖かったのですが、やはり一番怖く感じたのは生霊のお話でした。
そんな中で登場した、Aちゃんと師匠である劉の存在は闇の中の光の様に読んでいて感じられました。

まとめ

この作品の主人公、”私”は霊に対する対処法は持っていても、物語に登場する祈祷師や退魔術士的な強力な力は持っておらず、そこがとてもリアルに感じました。

心霊現象に翻弄される”私”に同化して、最初は興味深く、後半は不安を感じつつ読み進める。そんな作品でした。

作者の千国礼拓さんのアカウントはこちら

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはPixabayのSyaibatul Hamdiによる画像です。
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