クマ撃ちの女 6 BUNCHコミックス
作:安島薮太
出版社:新潮社
狩猟犬ワンを連れての忍び猟の最中、チアキは熊の糞を発見。
笹薮の中、熊が近くにいる事を知ります。
チアキはワンにクマを追わせ、ワンに取り付けたGPSを頼りにクマの追跡を開始するのですが……。
登場人物他
山内(やまうち)
銃砲店シューティングサプライズの店長
白髪に髯の温厚なおじさん。
チアキの母方の伯父、カツヤの知人。
チアキが猟をする事に反対しているカツヤから、彼女には何も売るなと頼まれている。
しかし他の店で買うよりはチアキの命を守れると、銃弾の販売やアドバイス、メンテなどを引き受けている。
中野(なかの)
農大で酪農を学ぶ女性
オカッパ女子。
カズキの書いたチアキの本を読んで、そこに書かれていたかなり脚色された内容に感化。
自分もチアキの様に野生動物との共生を目指した酪農をやりたいと、猟銃免許を取得した。
熱意はあるが経験に乏しく危なっかしい。
古川(ふるかわ)
北見(きたみ)のグループが行う鹿の巻き狩りでのマチの親方
ニット帽で丸顔の老人。
巻狩りは勢子(せこ)という追い役とマチ(待子(まちこ))と呼ばれる射手の二組で行う狩りの方法。
勢子が鹿をマチ側に追いやり、待ち受けたマチが仕留める。
吉田(よしだ)・小暮(こぐれ)・鈴井(すずい)
北見が親方を務める勢子のメンバー
カズキの本の影響で注目を浴びたチアキにやっかみを抱いている。
特に吉田と小暮は直接嫌味を言っていた。
あらすじ
ワンを目印に笹薮を進む熊を追うチアキとカズキ。
ワンのGPSを頼りに熊の姿を確認するが、木々と笹薮が邪魔で頭部は練らない。
仮に仕損じても、ワンがいれば熊は追えるとチアキは熊の横っ腹に狙いを定め引き金を引いた。
銃弾は胸を捉え、熊は地面に倒れ伏す。
その姿はワンに倒れた鹿を思い起こさせた。
条件反射的にワンは本能に従ってクマに齧りつく、しかし熊は息絶えておらず、右前足を振るいワンを弾き飛ばし、更にあらわになったワンの腹にその爪を振るった。
その直後、森の中にワンの悲鳴が響いた。
感想
今回は冒頭のワンを連れた忍び猟の様子から始まり、怪我を負ったワンの治療、山内の銃砲店、チアキに憧れる中野の登場と箱罠、中野を伴った流し猟、箱罠での熊の捕獲とチアキがしたい事、鹿の巻狩り等が描かれました。
その中でも今回は北見の巻狩りに参加した、勢子の吉田たちの言葉が気になりました。
彼らはチアキがどのような事をやって来たのかよく知らないまま、若い女性がクマ撃ちをしているという先入観だけで彼女に嫌味を言っていました。
同様の事は世の中に沢山ある様な気がします。
突然脚光を浴びた人を余り調べず批判する人達。
何と言うか、そういう人達はSNSの情報や報道から受けたイメージだけで当事者の事を攻撃している様に感じます。
仮に批判するとしても実際はどうなのか、色んな方面から情報を集め、確かにそれはおかしいなと確信を持った上で行うべきなんじゃないかなぁと今回のエピソードを読んでいて思いました。
まとめ
今回は巻狩りの始まりで締めくくられていました。
次巻ではチアキの勢子の様子が描かれるのでしょうか。
新たなキャラクター中野も登場し、彼女がどんな事を引き起こすのか、そちらも楽しみです。
こちらの作品はくらげバンチにて一部無料で閲覧いただけます。
作者の安島薮太さんのアカウントはこちら。
お読みいただき、ありがとうございました。