漫画

ダンピアのおいしい冒険 第三巻 登場人物・あらすじ・感想

投稿日:2021年7月23日 更新日:

帆船
ダンピアのおいしい冒険 3

著:トマトスープ
出版社:イースト・プレス

南洋の海図を描く事を夢見る青年、バジル・リングローズ。
彼とは共にシャープ船長の下で働いていたが、シャープ船長の行いに嫌気がさしたダンピアはリングローズにロンドンに戻る様告げ、自身が書き記した南洋の動植物の記録を彼に託しクック達と共にシャープ船長と袂を別った。

それから三年、プラタ島に停泊していたディライト号一行は、同じく英国の私掠船「シグネット号」と接触する。
そのシグネット号にはイギリスに返った筈のリングローズが乗っていた。

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登場人物

チャールズ・スワン
シグネット号船長
黒髪口髭小太りの穏やかな雰囲気の中年。
元は交易船として商人達の出資を受けてスタートしたが、交易が上手く行かず不満を持った船員たちの声に押され私掠船の船長へと転身した。

ピーター・ハリス
私掠船船長
赤毛無精ひげの陽気な男。
スワンを私掠船仲間として迎え入れた。
スペインの艦隊に襲われた際、殿を引き受ける。
好き。

メルチョール・デ・ナバラ
スペイン領ペルー副王
高い鼻に口髭のおじさん。
英国国籍の私掠船に頭を悩ませている。
現地の食べ物(ペピーノ:ナス科の野菜、無毒で甘い、トマト、ジャガイモ、トウモロコシ等々)は見た目や奴隷の食事だとの偏見から嫌っている様子。

ホルヘ
スペインの郵便船に乗っていた船乗り
黒い髪と浅黒い肌を持つメスティソ(インディオとヨーロッパ人の混血の人々の呼称)の青年。

ペドロ・ポンテ
パナマ総督
黒髪の男性。
捕虜となった理知的なリングローズを彼に恩のある老提督と共に仲間へ誘う。

ジョージ・ボンド
パナマ総督の賓客
赤毛でトラ髭の男。
元海賊で現在は昔の仲間を売り、私掠船を狩っている。

チャペル
シャープ船長の船の総舵手
逃亡した奴隷を虐殺しようとした事で憤ったリングローズに殺害される。

グロニエ
フランス私掠船船長
しゃくれ顎。
臆病者。

スワン
ディライト号の乗組員
白髪白髭の老人。
古株。

あらすじ

プラタ島でリングローズと再会したダンピア。
彼はリングローズには海賊から足を洗って欲しかった為、素直に再会を喜べなかった。

そんなダンピアの思いには関係なく、ディライト号の船長デーヴィスは同じく英国の私掠船シグネット号の船長スワンの参加している船団に合流する事を決める。

合流後、ディライト号を加えた船団はスペインの郵便船を拿捕。
その船が運んでいた手紙の中にはプラタ船、つまりスペイン国王の財宝を積んだ船が来る事が記されていた。

乗組員たちはスペイン国王の財宝と聞いて色めき立ち、及び腰なスワンを押し切る形で襲撃を決定するのだった。

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感想

今回はリングローズとの再会から始まり、プラタ船襲撃計画、捕虜になったリングローズ、パナマ、リングローズの過去、ボンドの奇襲、スペイン艦隊(アルマダ)との戦い、老水夫スワンの死とデーヴィスの決断等が描かれました。

今回、印象に残ったのはスペイン艦隊の襲撃についてでした。
襲撃はプラタ船を餌にしたスペイン側の作戦だった様です。
大航海時代の海賊をテーマにした別の作品でも、似たような偽の書簡で海賊をおびき寄せる場面は見た事があり、私掠船に手を焼いた政府側の常套手段だったのかもしれません。

再会、出会い、別れをくり返しダンピアの航海は続いていきます。

まとめ

この巻のラスト、ダンピアはある選択を迫られます。
彼がどちらを選ぶのか、次も楽しみです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この作品はイースト・プレスのwebメディア“マトグロッソ”にて一部無料でお読みいただけます。
作者のトマトスープさんのTwitterはこちら

※イメージはPixabayのDimitris Vetsikasによる画像です。
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