ダンジョン飯 10 ハルタコミックス
作:久井諒子
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン
ライオスが迷宮で手に入れた動く鎧から手に入れた剣、ケン助を操る翼獅子導かれ狂乱の魔術師シスルの家に辿り着いたライオス達。
彼らは彼の家で迷宮を作り出した存在、封印された翼獅子を探すのですが……。
あらすじ
林の中に建った素朴な一軒家、それが迷宮の主、シスルの家だった。
チルチャックがその家を守る鳥の魔物を弓矢で倒し、内部に潜入したライオス達。
そこで見たのは入り口には無数の割れた鏡、そしてダイニングでは壁を埋め尽くす生ける絵画、更に魂を抜かれた王家の人々の体だった。
混沌とした家の中の様子に狂乱と呼ばれる訳だと、一行は完全に引きながら手分けして探索を続けていく。
だが翼獅子がどのような形で封印されているか手掛かりの無い状態で、探索は膠着状態となる。
そんな中、チルチャックが奇妙な物音を聞きつける。
音の主は暖炉の煙突を通り、暖炉の床に落ちて来た。
それは先程、チルチャックが射抜いた鳥の魔物だった。
魔物はその身に炎を纏いライオスに襲い掛かる。
何とかその攻撃をケン助で防ぎ、火傷を負いながらも斬り伏せたライオスだったが、鳥は魔物は燃え上がり再び体を再生させた。
フェニックス、不死鳥という名を冠する不死身の魔物だ。
弱点は無いのかと聞くチルチャック。
勢いを増す炎に撤退を口にしたマルシル。
対処法の浮かばないライオスは周囲を見回し、センシが抱えた王族の一人ヤアドの体に目をやった。
「そうだ」ライオスはそう呟くと、ヤアドを抱え上げ燃え盛るフェニックスに向けて投げつけた。
感想
今回は冒頭の狂乱の魔術師、シスルの家の探索から始まり、竜のキメラになってしまったファリンを止める為の食材集め、そしてシスルとの直接対決の始まりが描かれました。
その中でも今回は迷宮の兎と呼ばれる首狩り兎のお話が印象に残りました。
ウィザードリィをプレイした人なら、ボーパルバニーというモンスターを嫌でも思い出すのでは無いでしょうか。
見た目は可愛い兎ちゃん、しかしその実、首を落とされたというテキストと共にプレイヤーキャラを即死させるとても嫌な敵です。
ウィザードリィはテキストベースのゲームでしたので、ボーパルバニーがどのように首を落としているか、それぞれプレイしている人の想像に任されている部分がありました。
私は勝手に前歯で頸動脈辺りを切り裂いていると考えていたのですが、今回描かれた迷宮の兎の方法も凄くスタイリッシュでとても格好良かったです。
まとめ
この巻でライオス達はシスルとの直接対決に挑みました。
物語もクライマックスに向かいつつある様です。
また今回は単行本と同時に、冒険者バイブルと銘打たれた副読本も発売されました。
書き下ろし漫画やイラストも多数収録されており、とても読み応えがあって面白かったです。
更に今月発売のハルタ81号(2021年2月発売)には四冊目となる落書き本も付録として付いていました。
エルフの迷宮攻略部隊カナリアたちのチェンジリング後の姿等、そちらもとても楽しかったです。
お読みいただき、ありがとうございました。