妻、小学生になる。 8 芳文社コミックス
作:村田椰融
出版社:芳文社
圭介(けいすけ)の娘、麻衣(まい)の恋人である蓮司(れんじ)。
彼がずっと引きずっている高波にさらわれた人が、結婚まで考えていた香澄(かすみ)という女性であるという事を麻衣は知ってしまい……。
登場人物
小枝
蓮司の友人
海で恋人を亡くし、それを引きずっている蓮司の事を案じている。
宇田(うだ)
圭介の部下
同じく圭介の部下である守屋に想いを寄せている。
保谷(ほうや)
圭介の部下
守屋にアタックする事をためらっていた宇田の背中を押す。
あらすじ
蓮司の誘いで家族三人で船釣りを行った圭介達。
圭介と貴恵は純粋に釣りを楽しんでいたが、麻衣だけは蓮司と友人の小枝の話していた香澄の事で落ち込んでいた。
その後、船から降り小枝の店で釣った魚をご馳走になる。
圭介も貴恵も面倒見が良くしっかりした蓮司を気に入り、麻衣の相手が彼で満足な様子だった。
小枝が捌いてくれたお刺身に圭介達が舌鼓を打つ中、麻衣は一人夜風に当たると店を出た。
一人浜辺に向かった麻衣は思う、結婚を考える程、仲のいい彼女が蓮司にはいた。
その彼女が居なくなったから、自分は蓮司の恋人になれたということ……?
麻衣がそんな事を考えていた頃、店に残った蓮司は圭介に貴恵が亡くなった事をもう乗り越えているのかと尋ねていた。
続けて自分も昔好きだった人を事故で亡くしていてと告げる。
蓮司の気持ちを感じ取った圭介は、乗り越えてなどおらず、今も貴恵を愛している事、そして愛し続ける事が美談と限らないと答えた。
自分は切り替えられず舞にも迷惑を掛けた。
だから新しい人を見つけ向き合って進んで行くのも立派な事だ。
周りにいる人を安心させる為にも。
そのかわり、絶対に中途半端な気持ちで向き合ってはいけない。
本気で愛す。
それが新しい人にも、以前愛した人の為にもなるはず。
蓮司は圭介の言葉に頭を下げ礼を言うと、店を出て麻衣の下へと向かうのだった。
感想
今回は蓮司の昔の恋人の事をしった麻衣の想いと、それに応えた蓮司から始まり、圭介に想いを寄せる守屋の告白、そして貴恵/万理華の事を知った守屋の反応等が描かれました。
今回、印象に残ったのは、帯にも書かれていた守屋のずるいという言葉でした。
守屋は本気で圭介を好きで、彼の支えになりたいと思っています。
それなのに、圭介には既に貴恵がいた。
彼女の言葉には作中、彼女自身が言う様に愚痴や八つ当たり的な物を感じましたが、決して届かない人を愛してしまった守屋の気持ちも分かるような気がしました。
ただ、物語冒頭のモノトーンな彼の様子を見ていると、仮に貴恵(万理華)が現れなくても、守屋の想いに圭介が応えたか微妙な気がしました。
彼は貴恵以外、愛する事は無いようなそんな気がするので……。
まとめ
ずるい、守屋にそう告げられた貴恵。
彼女が何を思い、どんな選択をするのか、次も楽しみです。
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お読みいただき、ありがとうございました。