メダリスト 2 アフタヌーンKC
作:つるまいかだ
出版社:講談社
憧れた選手の様に。
11歳というフィギュアの選手としては遅いスタートを切ったいのり。
しかし、彼女のフィギュアへの想いは強く熱く、何より楽しんでいる事でメキメキと力を付けているようでした。
そんないのりの想いに応えるべく、コーチの司もより一層気合を入れて彼女の指導に当たります。
しかし、初めての大会までの期間は短く、プログラムに得点の高い二回転を加える事は難しい様でした。
そこで司は、別のジャンプ「フライングシットスピン」をいのりに試してもらうのですが……。
登場人物
結束実叶(ゆいつか みか)
いのりの姉
茶髪ロングの学生。
カナダに留学しているが、いのりの試合を見る為に一時帰国した。
いのりをのんちゃんと呼び溺愛している。
鴗鳥慎一郎(そにとり しんいちろう)
いのりが目標としている光の所属する名港ウィンドFSCのヘッドコーチ
元男子シングル日本代表。
白髪の男性で理凰の父親。
夜鷹純(よだか じゅん)
光のコーチ
暗く鋭い目をした黒髪の男性
いつも黒づくめ。
蛇崩遊大(じゃくずれ ゆうだい)
京都の蓮華茶FSCアシスタントコーチ
黒髪長髪のよく日に焼けた青年。
ノリが軽い。
大和絵馬(やまと えま)
蓮華茶FSC所属の小学四年生
地黒でマイペースな少女。
いのりと同じく初級。
鹿本すず(かもと すず )
蓮華茶FSC所属の小学五年生
お下げ髪の元気な女の子。
年齢はいのりと同じく11歳だが、階級は7級。
自分で自分を可愛いと言っちゃうタイプ。
あらすじ
フライングシットスピン。
いのりは見事、その難しいジャンプを見事成功させた。
そのフライングシットスピンをプログラムに組み込み、いのりと司は大会に挑む。
だが、その大会前の練習で会場の氷の違いからか、いのりはジャンプをしくじり転倒、その後、調子を狂わせ練習では出来ていたフライングシットスピンも失敗してしまう。
その様子を見たいのりの母は、司に簡単なプログラムへの変更を求めた。
母は失敗の思い出をいのりに作らせたくないと言う。
いのり自身、母や司に気を使わせている事に後ろめたい物を感じていた。
その後ろめたさを胸に、目を伏せた彼女の目に鏡に映った自分の姿が見える。
スパンコールの散りばめられた衣装、そしてスケート靴。
憧れた場所に今、立っている。
私はもう前の私じゃない。
待って、そう母に声を掛けたいのりは、私はスケートで勝ち負けをやりたいんだ。選手としてメダリストになりたいから。
顔を上げ真っすぐに母の目を見て、いのりはハッキリとそう告げた。
感想
自分の言いたい事が言えず、以前は母親の言葉に従っていたいのり。
この巻の冒頭、彼女は自分を気遣う母親に対して、明確に自分がやりたい事、なりたい自分を伝えました。
そんな感じで今回は初級の大会から始まり、いのりをライバル視するミケの演技、いのりの当面の目標である光の滑り、司が憧れていた光のコーチ夜鷹純との出会い、そして次の大会で戦う事になる京都蓮華茶FSCの面々との交流等が描かれました。
司といのり、二人はコーチと教え子という関係ではありますが、司はいのりの情熱に影響され、いのりは司のおおらかなハングリーさに救われている様に思います。
師弟でありながらお互いが尊敬し合い高め合う。
そんな理想的な関係が構築されつつあると、二巻を読んでいて思いました。
まとめ
冒頭の大会でのいのりの演技、フィニッシュのシーンでは鳥肌が立ちました。
次回は京都、どんな演技をいのりが見せてくれるのか、今から読むのが楽しみです。
この作品はコミックDAYSにて第一話が無料でお読み頂けます。
作者のつるまいかださんのTwitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。