片喰と黄金 2 ヤングジャンプコミックス・ウルトラ
著:北野詠一
出版社:集英社
黄金を求めアイルランドを旅立ったアメリアとコナー。
二人が辿り着いたのは大都会ニューヨーク。
ですが、ニューヨークには飢饉を逃れる為、多くのアイリッシュ(アイルランド移民)が流れ込んでいました。
登場人物
ビル・ザ・ブッチャー(ウィリアム・プール)
ニューヨークのギャング
ニューヨークという街を愛する余り、それを汚すアイリッシュを憎悪している。
本職はお肉屋さん。
イライジャ
ブッチャーの右腕とされるギャング
ブッチャーに心酔している。
参謀役の為、荒事は苦手な様子。
万次郎
ジョン万次郎
船が難破して色々あってアメリカに来た日本人。
幕末には通訳として活躍した。
飢えたアメリア達に干し肉(鯨)を与え、アメリカの広さを教える。
トサ
猫
ニューヨークから南下したアメリア達が出会った猫。
飢えていたアメリアは、捕獲して食べようとしていた。
なんやかんやで旅の道連れとなる。
マイルス
家出少年の一人
ボルチモアへの旅の途中に出会った家出少年の一団のリーダーっぽい少年。
取り纏め役ではあるが、ボスという訳では無さそうだ。
コナーの話を聞き、彼を尊敬し慕う様になる。
オーウェン
家出少年の一人
少年の一団が乗っていた馬車は彼の持ち物。
ネイト
家出少年の一人
いつも何か食べている。
太っちょカウボーイ。
あらすじ
辿り着いたニューヨークにアメリア達は大都会という印象を受ける。
しかし、不潔で仕事を奪うアイリッシュはこの街では嫌われているようだ。
中でもギャングのブッチャーは、アイリッシュに対して苛烈なようだった。
関わらない様忠告を受けたアメリアだったが、情報を集めようと訪れたパブでギャング同士の抗争に巻き込まれる。
そして、そこにいたブッチャーに怪我の影響でふらついたアメリアは、頭突きをかましてしまう。
捕らえられたアメリア達は、ギャングの参謀イライジャからブッチャーのアイリッシュ嫌いを治す様に言われる。
イライジャの話では、ニューヨークは移民を排除するのでは無く、擁護し受け入れる方針にしたらしい。
時代の流れに沿う為、何よりブッチャーが流れに乗れず消えない為、彼はブッチャーのアイリッシュ嫌いを治したいようだ。
アメリアは一旦ギャングの要望を断った。
その後、アイリッシュしかも無抵抗で非力な子供に報復したいう噂が流れる事を恐れるギャング達に対して、自分達の立場を利用し有利な条件での交渉を始めた。
感想
アメリアの魅力は、持たざる者故のハングリーさの様な気がします。
彼女は建前や駆け引き等関係無く、自分の目指す場所へ一直線へ進んでいきます。
彼女にはそんな事をしている時間等、一秒もありはしないのだと読んでいて感じました。
また、コナーのアメリアへの献身の理由も、この巻では描かれました。
感じたのは、コナー自身が自分をこの世に必要の無い者だと位置づけていた時、アメリアは彼が本当に欲しかった物を与えたのだろうと思います。
彼は恐らくどのような事態になっても、アメリアを裏切る事無く支え続ける様な気がしました。
まとめ
今回は終盤アメリア達は、同じくカリフォルニアで金を得る事を目指しているマイルスと出会います。
次巻は彼らと共にボルチモアへ向かう事になるようです。
ボルチモアでどんな事が起きるのか、続きが早く読みたいです。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読み頂けます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。