リオンクール戦記 コミカライズ版 5 バンブー・コミックス
原作:小倉ひろあき
漫画:Nagy
キャラクター原案:toi8
出版社:竹書房
小説リオンクール戦記のコミカラズ版、第五巻
王からの勅命でベルジュ伯討伐の遠征に出発したバリアン達、リオンクール軍。
総大将であるルドルフはバリアンを囮とし、二手に別れベルジュ伯領を侵攻する作戦を展開。
バリアンは五百の兵を率い小城を落としながら進軍を続け……。
登場人物
レオン・ド・デュレ
ベルジェの小城を守る騎士
バリアンの鉄棍により一撃で頭を潰された。
ベル
敵方の貴族の女
金髪ロングの美女。
バリアンに気に入られ側に置かれる。
一族の復讐として奴隷としてバリアンの子を成し、その子供がいずれバリアンの首を取る事を望む。
マルセル・ド・ギャレオ
ベルジェ伯に仕える騎士、ベルジェの明星の二つ名を持つ
金髪で浅黒い肌の青年。
戦争で孤児となり、少年兵として戦場に立った。
親友であるビセンテと共に剣技を磨き、その天賦の才により貴族の養子となった。
力のない少年兵が生き残る術として、いなしそらす剣技を体得している。
ビセンテ
マルセルの副官
黒髪の青年。
孤児としてマルセルと共に戦い育った。
バリアンの攻撃からマルセルをかばい戦死する。
ピエロ・ド・ドレムル
ドレムル領領主
白髪顎鬚の巨漢。
不死身のピエロの異名を持つ猛者。
ルドルフとは旧知の仲。
彼もベルジェ伯討伐の勅命を受け参戦する。
ジュスタン・ド・ドレーヌ
バリアンの従兄弟
茶髪に髭の色男。
ベルジェ伯討伐に参加する。
ザマル
同胞団所属を名乗る黒髪の男
バリアンが提案した焼き討ち作戦を実行した、バリアンの兄、ローベルの部隊に潜り込む。
あらすじ
陽動隊として兵五百を率い進軍を続けるバリアン。
兵の中には捨て石にされたと思う者も当初はいたが、兵の損耗も無く落とした城が三つとなり、奪った城の広間ではバリアンの名を兵士達が称えていた。
兵に疲れは無く、もう少し粘るのも有りか。
そう考えたバリアンに側近のジャンが声をかける。
「元気なうちに合流したほうがいいぜ」
笑みを浮かべたジャンは言う。
「忘れたんですか? 『盗むチャンスはまた来るが、死んだら次は無くなる』」
そう教えてくれたのはバリアンだ。
ジャンの言葉にバリアンは本隊と合流する事を決定。
部下達に落とした城と襲った村からの略奪品を褒美として分配した。
報酬は兵たちの士気を大いに高め、バリアンは部下達からの信頼を得ていった。
合流を決定し北に向かったバリアン達は、突然の雨に森での待機を余儀なくされる。
雨上がり、移動を再開しようとしたバリアンの耳に兵士の足音と軍馬の蹄の音が鳴り響き……。
感想
今回は陽動隊としてルドルフ達と別れベルジェ伯領の南側を進み、小城を落としたバリアン達から始まり、森での乱戦、ベルジェの明星、マルセルとの戦い、本隊との合流と兄ローベルとの亀裂、山城と焼き討ち作戦、ローベル暗殺等が描かれました。
その中でも今回はバリアンの兄、ローベルの中に生まれた疑念についてが印象に残りました。
バリアンの兄、ローベルはリオンクールという土地で無ければ、優秀な跡継ぎとして誰もが認める存在だったでしょう。
しかし、リオンクールはバリアンの祖先が戦により奪い取った土地。
住民の中には依然として侵略者である領主一族への反発が渦巻いています。
ただ、そんな反発もバリアンの父、ルドルフがリオンクール人と同じ黒髪黒目だった事でなりを潜めていました。
更に、次々と戦果を挙げるルドルフと同じく黒髪黒目のバリアンの存在が、リオンクール人達に絶賛され始め……。
茶色の髪と青い瞳で生を受けたローベル。
彼の中には、正(ただし)が入る前、幼い頃の悪逆非道なバリアンの記憶が残っており、正式な跡継ぎとされてもバリアンを信じきれないままでした。
家督争いは領地を疲弊させ、周囲に敵に侵略の機会を与える。
バリアンはそう考え、自分は領主を補佐する立場を選択していたのですが……。
日本でも数多く起こった兄弟間の跡目争い。
バリアンとローベル、そしてその家族がどんな道を歩く事になるのか、先が気になります。
まとめ
この巻のラスト、ローベルは部隊に潜り込んだザマルにより、襲撃を受けてしまいます。
彼がこのまま潰えるのか、次巻も楽しみです。
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