亡者の村に潜む闇
ソード・ワールドリプレイ集（8）
著：清松みゆき／グループSNE
画：中村博文・竜胆丈二
出版社: 富士見書房 富士見ドラゴンブック
前回の依頼で虎のトップを救うことに成功した冒険者たち。
国家規模の策略に、不本意ながら関わってしまった彼らは、今後どうなってしまうのか。
金の力に物を言わせ、さらに地力も上がってきたパーティにGMはどう立ち向かうのか。
バブリーズアドベンチャラーズによるリプレイ集、第三集。
あらすじや感想など
第八話 亡者の村に潜む闇
シナリオ あらすじ
金を手に入れ、目的を失いつつあるアーチ―達六人。
冒険者の店でたむろする彼らの元に、一人の男が現れる。
男はユーワン・ウルチャント、プラード近郊の村の者と名乗った。
男の話では、最近村で神隠しが頻発しており、その解決を彼らに依頼したいとの事。
プラードまでは二週間程かかるが、腕の立つ冒険者を雇うためわざわざオランまで出てきたそうだ。
彼の依頼は神隠しの原因の究明と排除らしい。
さらに付け加えると、村の周辺で亡霊の姿を見たという噂もある。
報酬は村にある住居の提供と、生涯の衣食住を保証するということだった。
一行は依頼をうけることにして、道々ユーワンから情報を聞くことにした。
彼らは歩きで村を目指すことにして、オランを出発した。
村までは十八日の旅程になる。
時間をかければ、全ての村人が神隠しに会うのではという質問に、村人は七十人程いて、今は出かける時は二人一組で行動するようにしているから、おそらく大丈夫とユーワンは答えた。
ユーワンに情報を聞きつつ、旅を続けていると道中の半分ほどでグリフィンと戦う、戦士と出会う。
一行の助力により、グリフィンを撃退した戦士は、アノスの聖戦士だった。
タイデグリーと名乗った男は、使命を終えアノスに帰る途中だと語った。
アーチ―達は、依頼がアンデッド絡みということも有り、彼に助太刀をお願いする。
タイデグリーはプラードで情報を集め、捨て置けないようなら協力するという条件の元、馬で先にプラードへ向かった。
プラードに着いた一行を待っていたのは、村が壊滅したという知らせだった。
一人生き残った男に話を聞き、急ぎ村へ向かった彼らを出迎えたのは、ワイトになったタイデグリーと村人たちだった。
感想
ワイトと化した村人には幼い子供もいて、プレイヤーたちはかなり消耗してしまいます。
さらに、大量のワイトとの戦闘が続き、彼らは初めてミッションに失敗してしまいました。
清松さんも書いていますが、強化されたパーティに対抗するため敵を出し過ぎたのが原因のようです。
第九話 デーモン！ デーモン！
シナリオ あらすじ
前回、途中で一度村から引き返したことにより、ダークプリーストの仲間の盗賊を取り逃がしてしまった一行。
プラードの領主に村の事を報告に行った際、別の村で神隠しが起こっていると知らされる。
汚名返上のため、事件が起こった村へ彼らは向かった。
村に着き、村人に情報を聞こうと話しかけると、どうも様子がおかしい。
「ここはプラード近郊の村だよ」←棒読み
「神殿近くで女性が襲われている。誰か助けに行かないと。」←棒読み
まるで、コンピューターゲームのような受け答え。
とにかく、彼らの言葉に従い、神殿に向かうとグルネルという悪魔が徘徊していた。
手下にアザービーストという魔物を引き連れている。
悪魔から逃げてきた女性を保護し、悪魔を退治した一行。
女性に話を聞こうとするが、そこに彼女の姿はなく、代わりにパラサが二人に増えていた。
感想
セッション失敗のペナルティーとして、用意されたシナリオでした。
大都市のオランではないため、魔晶石を調達できず一行はかなりの苦戦を強いられます。
途中、パラサの偽物が現れた時、スイフリーやグイズノーが躊躇なく魔法を使ったのが印象的でした。
第十話 悪党になりたい！？
シナリオ あらすじ
言葉の魔術師、白いダークエルフ、スイフリー。
これまでの様々な発言により、白粉やつけ耳疑惑のある彼に、ファラリスからの啓示がもたらされる。
オランに戻ってきた一行は、タイデグリーの残した報告書を届け、コネを得るためアノスに向かうことにした。
道中、報告書を奪おうとするファリス神官を返り討ちにする。
スイフリーの魔法で眠らされた神官は、持っていた魔法の弾の誘爆により、爆死した。
その後、アノスに着きソーモンという町で露店を見て回る一行。
そこでスイフリーは万引き騒ぎを起こしてしまう。
その後も宿でもめたりと、おかしな行動をとるスイフリー。
神殿で調べてもらうと、彼には確かに何らかの魔力が働いている様子。
呪いを疑い、解呪を願うが受けてもらえず、王都ファーズの大神殿への紹介状を渡されるのだった。
向かったファーズの大神殿で、邪悪認定されてしまったスイフリー。
監獄に入れられた彼の耳に神の声が聞こえてくる。
「汝の成したいように、成すがよい。」
感想
パーティの知恵袋、スイフリー。 あぶない言動が余りにも多かったため、GMが釘をさす意味で作ったシナリオでした。
このシナリオでも、「不正とは取り締まっても金にはならない、見逃してこそ金になる」等の発言が見られます。
まとめ
この巻は第一話、第二話と暗い結末の話が続きました。
キャラクターが強化されたことで、GMもより強力な敵を用意しセッションを進めます。
そのことで戦闘が、かなりシビアな展開になりました。
その後のスイフリーの発言から分かりますが、余り反省の色は見えない様です。
